【DWK】 ONLINE DIALOGUE vol.10 南條工房 南條 和哉氏
こんにちは。DESIGN WEEK KYOTO (以下、DWK)の岩口知加です。
7/7、DWK ONLINE DIALOGUE Vol.10 を開催しました。本日はその開催報告をお届けします。なお、YouTubeには対談の様子がアップされていますのでご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
今回のゲストは、
南條工房 南條 和哉(なんじょう かずや)さんです。
南條工房さんは、仏壇でちーんとならす「おりん」を中心に鳴物神仏具を作られています。佐波理*の特性をより引き出すために、銅と錫の配合率を限界まで引き上げ、祇園祭のお囃子(はやし)で使われる鉦(かね)などを伝統の技法で一つ一つ手作りで制作している数少ない工房です。
*「佐波理(さはり)」とは、古くは正倉院宝物にも用いられた合金。
▲おりんと新しいブランド「LinNe」(右)
南條工房さんでは「音」を大切にしており、ワンワンとうねらない真っ直ぐ伸びる音にするため、とても丁寧に一つずつ削っています。
(動画でもおっしゃってますが、音の好みはそれぞれなので、南條工房さんの佐波理の音は、真っ直ぐ伸びる音を大切にしていて、どちらが良い等はないそうです。)
また南條さんは鳴物の音を身近に感じてもらえるよう、昨年3月にLinNeという自社ブランドを立ち上げていて色々な取組をされています。最近ではアーティストの方と組んでLinNeのインスタレーションもされています。
そんな南條さんは元々料理人!しかもカリフォルニアキュイジーヌという料理もされていたそうです。
南條さんの興味深い所は、料理人時代に出会った当時の彼女(今の奥さん)の家業が南條工房で、料理人をやめた時に一度鋳造を見学したそうです。その時に鋳造にとても感動して(南條さん曰くテンションがめっちゃ上がって)またおりんの音が、自分の知っている音と全然違って一番衝撃的だったそうです。こういうのを作れる職人さんって良いなと思って、ちょっとバイトをさせてください、から始まったそうです。
▲南條さんが感動した鋳造シーン
■今回のトーク内容
①南條工房について
〜鳴物専門の鋳物とは?祇園祭のお囃子もつくっています!〜
②佐波理について
〜正倉院宝物の中に、佐波理製の花器があった!?〜
③南條工房が大事にしている音色について
〜音色のための配合・鋳造法〜
④南條さん(井上さん)が南條工房に入るまで
〜カリフォルニアキュイジーヌ料理からの南條工房〜
⑤おりんからLinNeを作った時
〜自分が感動した南條工房の音は変えず、楽しみ方やシーンを変える。〜
⑥今後取り組んでいきたいこと
〜自分に合う音があることを知ってほしい〜
南條さんのお話で、
「おりんを知らない人が多い。おりんの音はイメージでしかなく知識がない、自分に合う音にあることを知ってほしい。」
という事がとても印象的で、私も自分が好きな音を作って欲しいなと思いました。ぜひ動画で南條さんの魅力を見てください。
▶トーク動画はこちら