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おまじないおばあちゃんの言霊の話

言霊という言葉を知ったのはいつだっただろうか?
最初に知った時は「普段使っている言葉が現実を作るから、言葉遣いには気をつけよう」的な意味での「言霊」だった。
愚痴や悪口や乱暴な言葉は極力避け、感謝の気持ちを大切に「ありがとう」と言いましょうね的な‥。
まぁ、そうだよねとは思った。言葉には、その人の背景とかセンスが現れると思っていたから。

それがその当時の私の意味する「言霊」だった。

その意味を改めて考えさせられたのが、ハワイで出会ったあるおまじないができるおばあちゃんの話だった。女友達と2人のありふれた観光旅行。仕事の知り合いの人がオアフのAさんを紹介してくれて、困ったことがあったら連絡するといいよとつないでくれた。そのAさんと一緒にやってきたのが、そのおまじないのおばあちゃんだった。Aさんは日本人だけれど、彼女はポリネシアの人だった。
おまじないができると書いたのは、私が当時、よくわからなかっただけで、いわゆるスピリチュアルな見える系の人だったのかもしれない。よくわからないが、頼まれれば人の相談にのると言っていた。

そのおばあちゃんが「私に相談に来る人は、私と同じように話し、私と同じように書く」と言うのだ。
当時、雑誌などでライター業をしていた私は、雑誌の読者層に合わせて書き方を変えて読者と親和性をもつことを意識するっていうことをしていたから、「相談に来るくらいなのだから、おばあちゃんのことを尊敬しているだろうし、尊敬している人の話を聞くうちに使う言葉が似てくるのは当たり前だろう」と思った。

だがしかし!
よくよーく話を聞くと、おばあちゃんのいうことはどうも違うようなのだ。
似てくるのではなく、そもそもの言葉が一緒だからやってくるのだという。


「魂に写っている風景が似ている感じるらしく私のところへやってくる」
風景???? 同じような価値観ってことですか?
「価値観が同じこともある。でも、同じとは限らないし同じでないことが多い」
価値観が違っていても同じような風景を見ているってことですか?
「相手は黒い鏡に映った風景をみてるけど、その風景を説明すると私と同じ言葉になる。私の風景はその黒い鏡に映るものではないけれど、使う言葉は同じ」
はぁ‥黒い鏡‥うーん‥

最終的にそのおばあちゃんに「ちょっと待って、よくわからない」といったら
笑いながら「わかる時がくるから、この話を覚えておきなさい」と言われた。
おばあちゃんに覚えておけと言われるまでもなく、すっごい不思議な会話だったので(本当は夢を見ただけではないかと思うほど不思議だった)何十年もたった今でも覚えているわけだけど、これこそが「言霊」の真実なのかもしれないなと、今は思っている。
違うけど同じ。同じだけど違う。その両面を含めての言霊。
うーん、この件は言語化までもうしばしかかりそう(笑)



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