『幽霊はここにいる』考察と感想
『幽霊はここにいる』全34公演完走おめでとうございます。
ここでは作品に対する考察と、人生で初めてジャニーズの舞台を見た私の感想をつらつらと書いていきます。
その前に、ここでは以下のように統一します。
★神ちゃん演じる男
→「吉田」もしくは「深川*」
※本人がどう認識しているかによって区別
★山口翔悟さん演じる男
→「本物の深川」
1.単語解説
個人的に意味の分からなかった&聞き慣れない単語について解説。
・アスピリン
解熱鎮痛剤の1つ。頭痛や発熱等に効くため風邪薬として使われている。おそらく深川*は過剰摂取(いわゆるオーバードーズ:OD)であったと思われる。
・ゆすり、たかり(ほぼ同じ意味なので纏める)
人を脅して金品を出させること。
・タタキ
強盗のこと。
・ゲートル
脚絆のこと。ズボンの裾を押さえたり脛を守るためのもの。
・アカ
共産主義者を表す侮蔑語。社会主義・共産主義の象徴が赤旗だったことに由来。
・カタリ
詐欺師のこと。
2.吉田が深川*になり幽霊が見えるようになった背景
ミサコが深川*から聞いたと箱山に語っていたことは、概ね事実だと思います。
自分と相手を入れ替えてしまっている点以外は。
つまり、
吉田と本物の深川が水筒を賭けて銅貨を投げる→吉田が勝つ→本物の深川は目を瞑って待つ→吉田が行こうとしない→本物の深川が顔を上げる→気が違っている吉田がいた
ここまでは事実とする。
その後は、本物の深川は吉田から水筒をもらい、吉田をそこに座らせた、とある。
「自分がその水筒をもらってきちゃったのよ……それで、お友達(吉田)は、死んじゃったのね」というミサコの言葉から、本物の深川は吉田を置き去りにしたと読み取れるが、事実はそうではなかった。
本物の深川によると、「あれから、一と晩、君をひきずって歩いた」らしい。
つまり、途中で吉田=深川*は思い違いをしていたということになる。
正しい事実(本物の深川曰く)はこう。
気が違っている吉田がいた→本物の深川は水筒を手に取り、吉田を見捨てることなく連れて歩いた→ジャングルを出たところで捕虜になってしまった
その先は2人離れ離れになってしまったのだろう。
ところで吉田がいつから深川*になってしまったのか、その原因はなにか、いつから幽霊が見えるようになったのか、という部分については、正直いろんな考察の余地があるなぁと思う。
私が考えたのは、
気が違ってしまった後(賭けで勝った後)から周りが見えなくなっており、本物の深川が自分を連れて歩いていたことは覚えてない。
捕虜となり本物の深川と離れ離れで過ごすうちに苦し紛れに自分を深川だと錯覚。
賭けのことは覚えていたが、本物の深川が吉田を運んだことは覚えていないため、水筒を持ちその場を去ったと勘違い。
つまり、そのまま吉田は死んだと勘違いした。
それからODにより幻影が見えるようになる。
吉田は死んだと思い込んでいるから、それが吉田の幽霊だと思い、引き連れるようになる。
幽霊(幻影)自身が事実を語りかけてこなかったわけは、深川*自身がそう思い込んでいるから。
あくまで幽霊は深川*自身が生み出したものであり、言ってしまえば深川*が都合よく作り上げたもの(ただし途中から幽霊と仲違いしている様子から、深川*の深層心理が暴走していることも想像出来る)。
鏡には吉田の姿が映るため、深川*にとっては都合が悪く見ることが出来ない。
ただいつから吉田がODしていたのかは不明……。
戦争の最中では薬が手に入るだろうか?とも思うし、一方でかなり常習であるんだろうなとも思う。
この点に関しては、戦争から具体的に何年後の世界なのかが分かりかねるため明言は出来ないけど、終戦後に捕虜から解放されて、深川*として過ごす中でODに陥る→幽霊出現→吉田の家に行く→精神病院に入れられてしまう
ということなのかな。
そして精神病院から抜け出して、大庭三吉と出会った、と。
しらんけど。(笑)
3.最後のシーンは何だったのか?
ここも正直わからん。
ほんとに想像でしかないので一意見として楽しんでください。
まず市民たちと共に吉田も登場する際、吉田は笑顔であり、自分自身を取り戻した安堵にも見える。
滑稽ながらも幽霊商売で生きている市民を眺めているのかなぁ。
でもその後、その輪から外れると笑顔が消え、空襲や銃声のような音が聞こえる。
それは紛れもなく戦争を思わせるものであり、吉田は空を見上げている。
物語としてはその後、水筒を持った吉田が砂場に立ち、帽子を被って暗転、というところで終わる。
え?これいつ?時系列どこ?
ってなったのを覚えてます。
戦争ってことは最初に繋がる?とか思ったり。
でも多分、自分を取り戻した吉田の記憶なのかな、と思ってます。
「戦友が死んだ」という記憶からは救われたわけだけど、ODがすぐ改善されるわけではないだろうし、戦争の記憶自体は持ってるし、なんなら吉田としての戦争の記憶が一気に彼を襲いに来るんじゃないかなと。
また幻影がちらつくことも考えられるし、これからも彼は苦しみ続けるんだろうな。
でも本物の深川やお母さん、ミサコがいてくれるからね。
彼が彼らしく、幸せに暮らせますように。
4.砂場の役割
これ、他の方の考察を読んで知ったんですけど、原作者の安倍公房の別の作品で『砂の女』っていうのがあるらしいです。
そこから来ているのではないか、と。
その砂を用いることで、この作品にいろんな可能性が生まれました。
深川*が幽霊に殴られるシーンも、砂じゃなかったらあそこまで豪快に転べないし。
鳥居(弟)さんも椅子ごとズッコケられないし。
そういう見せ方の面でも砂は大いに役立ちました。
雨を模したりゴム靴に溜まった水を表現したりと、砂は水にもなった。
私もあの砂欲しかった。(笑)
5.感想
ここからはただの感想なので備忘録です。
まず、全滅だったから直前まで諦めてたんだけど、一般チケットの再販に運よくありつけて人生初、ジャニーズの舞台を観劇しました。
PARCO劇場が小さいってこともあって、めちゃくちゃ近い!!
初日はほぼ双眼鏡いらんかった。
見てる余裕がなかった。
神ちゃんの歌唱シーンは原作にはなくて、神ちゃんならではの演出なんだなぁと思うとめちゃくちゃ嬉しかった。
ほんと良い声〜〜〜〜!!!
てか歌って踊ってその後普通に台詞言えるってすごくない?
ライブで何曲もやって走り回ってっていうのがいかにすごいかが改めて分かった。
汗かいてたのはかわいかったし、照明当たってないとこで袖で汗ふきふきしてるのを双眼鏡で眺めるのがすきでした。
そして何より、神ちゃんと八嶋さんの掛け合いな〜!!!
八嶋さん天才だなほんとに。
初日あたりはアドリブっぽいのほぼなかったけど、どんどん増えていったね!
やっぱり「幽霊のことはぁ〜」のとこかな。
神ちゃんのお鼻、広がってないかな、大丈夫かな。
お大事に。(笑)
個人的にすきだったのは、鳥居(兄)と市民Bかな。
市民Bが治療受けてる時の「アァ…エェ…アー……」みたいな声がすきだった。(笑)
あと、PARCO劇場が最高すぎました。
ご飯も時間潰すのも困らないし、劇場綺麗だしトイレも他の階使えるし、テラス涼しいし、あのドリンクね!!
結局どっちも飲んだんだけど、神ちゃん色だしクリスマスカラーだし写真映え抜群でした!
こんなかんじ〜↓
森ノ宮ピロティホールはどうしてもパル劇と比較すると……って感じだけど、あのトイレ誘導を体験出来て良かったかな(笑)
けどトイレはもりのみやキューズモールBASEを使わせてもらうのが絶対良い。
幕間はそのまま外でちょっと飲食して2幕に備えてました。
いやー、終わってしまったね。
絶賛ロス中です。
なんかパルコステージのYouTubeにダイジェスト動画みたいなのが上がるとかなんとか。
数ヶ月後?なのかな?
ほんとに上がるか分かんないけど、祈っておくー!!
ほんとに楽しかった。
観に行けてよかった!
今回ご縁があった方、ありがとうございました!
改めて神ちゃん、キャストの皆さんお疲れ様でした!
そしてみんなもお疲れ様!!!
次は、膝かな?(はい?)
それではまた次の現場でお会いしましょう!
よ〜!!!
\パァン👏🏻/