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「麒麟」2025年冬号 潮見悠さんのこと

「麒麟」2025年冬号を拝受しました。この号は潮見悠さんの追悼号でした。

潮見さんとは句会で2年間毎月ご一緒していました。昨年11月、潮見さんの訃報を聞きました。信じられませんでした。お亡くなりになった当日、潮見さんは次回の句会のお題を出してくださっていました。お題は「兎」でした。

西村麒麟さんによる追悼文を読み、潮見さんの俳句の来し方やみなさんに愛されたお人柄について知ることができました。追悼文には「将来僕の句を真っ直ぐ継げる人がいるとしたら、潮見さんだろうと密かに思ってもいました。」とありました。

潮見さんの天の10句は、澄み切っていて素晴らしかったです。

潮見さんが俳句をはじめたのは2022年6月。句歴が浅くてもここまで筋のよい句が作れるものなのだと常々感心していました。どんな句でも頭の中だけで作らずに、実体験をもとに句を作られていたのが印象的でした。潮見さんは選評も的確で、自分の句を採ってもらうと特別に嬉しかったです。

句会ではいつも音声のみのやりとりでしたので、一度直接会って、お話してみたかったです。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

水澄みて朽木のやうに眠りけり 潮見悠
石蹴つて夜寒の草に止まりけり 同
空の色抜けしところを椋鳥の群 同

(「麒麟」2025年冬号 天)

いつも少し困つた顔のかいつむり 西村麒麟
どの雲も遊び足らざる枯野かな 同
日向ぼこその内君が戻るまで 同

(主宰作品 「悠」)



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