セクトポクリット【コンゲツノハイク】2022年5月 12句選
鶯が三面鏡の右に出る 田邊大学(「秋草」)
家も名も忘れし父や春の川 小関由佳(「炎環」)
足裏に畳の温み寒稽古 森川裕子(「円虹」)
拉麺に師系家系日脚伸ぶ 櫛部天思(「櫟」)
雪下ろし背中のタオル抜けば湯気 篠崎弥生(「澤」)
羽子板に少年航空兵ゑがほ 木内縉太(「澤」)
日の当たる裸木に来て御籤読む 守屋明俊(「磁石」)
住みたい街ランキング入り燕来る 小川軽舟(「鷹俳句会」)
ガム嚙めばゆたかな唾液百千鳥 橘永子(「南風」)
歌留多とる気迫に恋の兆しなし 笹尾清一路(「ホトトギス」)
寒鯉や背に大いなる染みを負ひ 太田うさぎ(「街」)
文楽の女は阿呆や雪中花 木村郁代(「森の座」)
櫛部天思さんの句についての評をこちらに掲載していただきました。
(家系ラーメンを「お母さんが家で作るような肉野菜炒めをどっさりのせたラーメン」だと思っていた友だちの話です。)