セクトポクリットのコンゲツノハイク【2024年4月】 12句選
電流の流るる如く白魚汲む 山口昭男(秋草)
旧正の大きな栗鼠の頬袋 鬼頭孝幸(秋草)
舐めてとる指のささくれそぞろ寒 武田稜子(伊吹嶺)
冬ひでり極細ペンで刺す聖地 堀之内長一(海原)
海鼠嚙むあづま男をはかりかね 山尾玉藻(火星)
文机は正座の高さ初日記 半田貴子(鷹俳句会)
水槽の怒りし河豚と待たさるる 草子洗(田)
師の横に畏まりつつ初電車 岡辺明代(南風)
作らねば出てこぬ夕餉冬の鵯 市原みお(南風)
ねんねこの赤子溶接されしごと 石川暘子(街)
書初の大腿骨のやうな一 藤尾ゆげ(街)
丸干しの潤目鰯の外れ顎 小山内杏(雪華)