セクトポクリットのコンゲツノハイク【2023年7月】 12句選
アイロンの突つ立つてゐる日永かな 水上ゆめ(「秋草」)
春蟬になんて明るい曇り空 野名紅里(「秋草」)
じやんけんで形見を分けし鳥曇 丹間美智子(「炎環」)
顔洗う顔の面積春の雲 田島健一(「炎環」)
蛤汁の砂嚙みあてし上座かな 山尾玉藻(「火星」)
花冷や皿の鬼門に練り辛子 松王かをり(「銀化」)
花の昼笛吹く前の白湯少し 村戸弥生(「澤」)
飲み会を抜けて飲み屋へ春の月 大野潤治(「鷹俳句会」)
存分にさくら見し夜の髪重し 鈴木照江(「鷹俳句会」)
バゲットの気泡ななめにクローバー 日野久子(「南風」)
どこからも読める句集やあたたかし 加治屋時子(「濃美」)
真ん丸にならむと歪むしやぼん玉 小久保佳世子(「街」)