『書信』 山口昭男
句友さんから『書信』(山口昭男)をいただきました!
いま手に入れるのは難しい句集のようです。序文が田中裕明です。
最近俳句にかけられる時間が大幅に減ってしまったわたしが、俳句のリハビリに読み始めるのにぴったりな、まるで俳句の教科書のような句集です。
好きな句だらけなのですが、いくつか。
白梅や指に活字の写りたる
袴より靴下覗く今年竹
蜩や膳に煮付を足しに来る
学帽は白線二本蘖ゆる
春一番犬の注射をして帰る
ここにゐる誰もが読めぬ屏風の字
荷の上に腰かけ話す桐の花
灯しても暗き部屋なり南瓜咲く
日本が端にある地図麦の秋
石畳走る電車や星祭
どの句も平易で、目の付け所がすばらしく俳句的です。
あと季語の斡旋の意外性がすごいです。
いつかこんな俳句が作りたいなぁ……。