見出し画像

岡田由季句集 『犬の眉』

すこし前に、岡田由季さんの句に、ファンレターのような評を書きました。

↑これの真ん中あたりです。

『犬の眉』は2014年刊行の岡田由季さんの第一句集。
ユーモラスで明快な句が多く、作者の「目のよさ」を感じられる句集です。

たくさん好きな句があったのですが、特に印象に残ったものを挙げます。

自動ドアひらくたび散る熱帯魚
間取図のコピーのコピー小鳥来る
運動会静かな廊下歩きをり
鳥の恋ぬり絵をうすく塗りゐたり
遠足の別々にゐる双子かな
しやぼん玉見送りてから次を吹く
牡丹園ブラスバンドの音ふやけ
聖夜劇釦がひとつ転がりぬ
引越の途中一泊花辛夷
菊日和クラスにふたりゐる陽子
草で拭くアーミーナイフ日短か
海鼠噛むためにいつたん箸を置く
コスモスや童顔のまま犬老ゆる
追ふ蝶と追はるる蝶の入れ替はる
箒木の好きな大きさまで育つ




いいなと思ったら応援しよう!