![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86326355/rectangle_large_type_2_cecc35273095ef0dfd139c651c77c034.png?width=1200)
Photo by
lazy_planet
波多野爽波俳句全集 その5
波多野爽波俳句全集には、四つの句集と、それから「補遺」として句集未収録作品より400句収録されています。補遺の選句は岩田奎さん。
補遺より、とくに好きな句を挙げます。
春の蚊の友の如くに近づき来
銀杏散る昼飯食ひに大学へ
ラグビーのまぢかの拍手浴びてかへる
パチンコ屋遅日店頭石鹼減り
老人の吐く息あつし稲の花
散髪屋より見る風船真赤かな
飯の上に鰻二片や初あらし
鶯や教師に湯呑一つづつ
牛乳は噛んで飲めとや蘖ゆる
卒業の生乾きなる粘土かな
ゑのころやわが発想にわれ頷き
太ければ氷柱の先の二股に
たんぽぽをくるくるとヤクルトのおばさん
チューリップ花びら外れかけてをり
水遊びする子に手紙来ることなく
チューリップの句が句集未収録であることに驚きました。