セクト・ポクリット「コンゲツノハイク」【2023年1月】 12句選
あけましておめでとうございます。
今年もセクトポクリットのおかげで各結社の今の俳句が読めることを嬉しく思います。(管理人の堀切克洋さんありがとうございます!)
はらわたのこころもとなき良夜かな 対中いずみ(「秋草」)
秋さびし事に心の追ひつかず 三吉郭子(「いには」)
一人とはこんなに楽し新酒酌む 鈴木桂子(「円虹」)
水音に反る蓑虫の葉一枚 坂口夫佐子(「火星」)
京の空ととのへてゐる松手入 堀切克洋(「銀漢」)
鳥葬の一皮(いっぴ)残さず冬青空 中村麻(「澤」)
新涼や一度で決まる塩加減 近藤陽子(「磁石」)
こころまだ稿にありけり水羊羹 福田健太(「蒼海」)
うそ寒や化粧落としてかほ残る 宮本素子(「鷹俳句会」)
空港に母の栗飯まだ温き 中野こと子(「鷹俳句会」)
冬日和砥石の水を刃が捲り 延平昌弥(「南風」)
ルイ・ヴィトンよりつぎつぎと林檎出す 竹内宗一郎(「街」)