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桂信子句集 『彩』 (テーマ別精選シリーズ)

ふらんす堂のテーマ別精選シリーズの桂信子句集『彩』(あや)。古本屋で購入しました。

「彩」をテーマに全作品から自選304句が収録されています。

この本がきっかけで桂信子が好きになりました。感銘を受けた句をいくつか。

梅林を額明るく過ぎゆけり
春ふかく芋金色に煮上りぬ
女の心触れあうてゐて藤垂るる
裏町の泥かがやけりクリスマス
湯上りの指やはらかし足袋のなか
酔ひし顔母に見られぬ笹鳴ける
薔薇挿せども空瓶になほ洋酒の香
蜜なめて黒瞳かがやく春の暮
菊の香に薄粥われの晩年は
夜の新樹すこしの酒に胸さわぐ
天井に水の明るさ来て二月
凧糸の白のひとすぢ身より出て
酢の瓶のむかうの枯野日が照つて
初午や結び疲れの赤い紐
十三夜うすももいろのねずみ死ぬ



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