Photo by lazy_planet 蒼海25号 好きな句 17 ちーかま 2024年10月19日 22:02 蒼海25号は2024年10月刊行。会員作品から好きな句を挙げる。ゆきゆきて鏡の間あり春の夢 福田健太チューリップ散り切りしとき風に立つ つしまいくこ蝶になりそこねて蝶を追うことに 加留かるか老いし母平らに雛を並べけり 種田果歩島削る那由多の波よ涅槃西風 坂本厚子蒼海25号 巻頭傘立てに傘は蕾や大試験 武田遼太郎立子忌のどんどん伸びるつくしんぼ 牟苑濁布 遺されしウイッグを焚く花のころ 鈴木トモオ湯がかるる筍の香の日向めく 羽奈あかりいくすじの汗は怒りへ祈りへと 浅見忠仁白魚のかさなりあひて色なせり 河添美羽 花冷えやポテトフライの端みどり 小谷由果スナックの出窓に小さき鯉のぼり 白山土鳩ひと粒の雨に花見を切り上ぐる 杉澤さやか 飴も鞭も投げ捨て送る卒業子 浜堀晴子充電器束ねられ韮立てかけられ 早田駒斗梅に似たものを見てゐる梅見かな 福田小桃餡に溺るる蟹玉や春灯 曲風彦桜からすこし離れて話し出す 正山小種花曇り皮のぶあつき水餃子 柴田美玲つつかれて渋々座る花筵 霜田あゆ美穴気分抜けず蛇穴出づれども 中島潤也カレー粉の震へる書体春淡し さとう独楽縁日で買ひし銭亀まだ鳴かぬ 国代鶏侍御水取最後に星の燃ゆるなり 柘植麻子天と地と等しく淋し雪間草 犬星星人ポケットにちびた鉛筆野に遊ぶ 谷けい新社員道の真中に立ちにけり 弦石マキ口中を水となりゆくレタスかな 倉下碧女蒼海25号つづいて主宰句と招待作品より。玉虫のぶつつかる窓煌めきぬ 堀本裕樹孑孑は簀巻きのごとくもがきをり 堀本裕樹主宰作品「簀巻き」扇風機猫を離れて亀を向く 黒岩徳将招待作品「祭」黒岩徳将つづいて第5回蒼海賞。正賞は塚本櫻𩵋さんの「山の黙」。誰にも似ない格好いい30句。櫻𩵋さん、おめでとうございます。山肌は神の肌なり草いきれ 塚本櫻𩵋釈迦の手の肉ゆたかなる夕立かな 塚本櫻𩵋猪肉の脂もて火を怒らしむ 塚本櫻𩵋塚本櫻𩵋「山の黙」準賞は杉澤さやかさん。奨励賞はつしまいくこさん、すずきなずなさん、種田果歩さん。奨励賞までは句の抜粋が掲載されている。(願わくば佳作までの作品は30句すべて載せてほしい…!)中空のはち切れんほど囀れり 杉澤さやかなはとびの引つかかりたる帽のつば 杉澤さやか背泳ぎの顎引き寄せて泣いてゐる つしまいくこ蛇の衣のごとく浴衣を脱ぎ捨てし すずきなずな右足を斜面にかけて蕨採る 種田果歩 蒼海俳句会 俳人堀本裕樹が新しく設立する俳句結社、蒼海俳句会のWebサイトです。 soukaihaikukai.com ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #俳句 #蒼海俳句会 17