角川『俳句年鑑2025』 100句選より
俳句年鑑は分厚くて面白くて、かならず購入しています。
小林貴子さんの100句選より、好きな句。
あらたまの太陽さへも比喩である 正木ゆう子
投扇興ふくらはぎより尻を上げ 西村麒麟
羽子つきの木の鳴る響き木の家に 小川軽舟
後ろから春一番の羽交締め 岩渕喜代子
雛段に小さき箒ちりとりも 髙田正子
鰭とれて鱗はづれて春の夢 鈴木太郎
冷房の長き翼をうごかしぬ 岩田奎
あめんぼにあめんぼが嗅ぐ如く来る 岸本尚毅
舟に立ち上がり芦刈人となる 山尾玉藻
上気して母は戦後を踊りしか 駒木根淳子
白和へに酪の香ほのか柿の秋 西村和子
日本海押さへ分厚き冬の雲 小島健
てつぺんに塩酸の壜煤払ひ 今井聖
人物を育みにける障子かな 千葉皓史
籠の中みかんも影もみかん色 宇多喜代子
剣道の声炸裂し落葉飛ぶ 大串章
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句具さんが作る俳句年鑑(『HAIKU HAKKU』)なら、投句した人全員の句が掲載されます。わたしも投句しました。発売がたのしみです。