冬のミイラ俳句
俳句の賞のために自分の句をまとめていると、「あ、冬の句が足りない」ということがよくあります。いまは夏です。夏なのに冬の句を作らなければならないことが多々あるのです。
そんなときに助けてくれるのが、自分が冬に作った句。そのまま使うことはできなくても、なんとか推敲して賞に投入することはできないかと考えてみます。
2019年12月に国立科学博物館の「ミイラ展」を見に行ったときに作った俳句がいくつかありました。ちなみに「ミイラ」は季語ではありません。あと漢字では「木乃伊」と書くみたいです。
冬のミイラ10句
しぐるるや賑はつてゐるミイラ展
包帯にヒエログリフや冬の雨
絨毯にしづむミイラのかかとかな
寒月やミイラをくるむ麻袋
冬の月ミイラの髪のからみあふ
頬に指あてたるミイラ冬ぬくし
寒月やミイラの腹に大き穴
冬青空ミイラとミイラ近づける
冬晴や代はりのミイラまだ着かず
抱き合へるミイラ五体やクリスマス
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ミイラ句、無限に作れてしまいそうです。しかし賞の連作のなかでいきなり「ミイラ」が出てきたら誰だってびっくりします。そこが悩ましいところ。