セクトポクリットのコンゲツノハイク【2023年10月】 20句選
やばい。11月の記事を書くときに複製するつもりで編集するミスをして、元の記事(10月上旬に書いたやつ)をなくしてしまった。なので11月12日にもう一度好きな句を選びなおします。
釘抜の支点力点赤のまま 山口昭男(「秋草」)
白線に少しく嵩や日の盛 高橋真美(「秋草」)
たのしげに家壊しをり竹煮草 鈴木靖彦(「いには」)
妻は子に「裸足になつて踊らうよ」 角川春樹(「河」)
この星の蚯蚓の糞と呼ばれたし 宮京子(「河」)
入りたる虚子門といふ片かげり 伊藤伊那男(「銀漢」)
歩かせてまた少し抱く祭りの子 松居舞(「銀化」)
八十八夜ふみきりわたり銭湯へ 小澤實(「澤」)
山や野や紅葉の色は肉の色 高橋睦郎(「澤」)
ビールの泡風にとばして運びくる 布田恭子(「澤」)
熱き湯に浸るや山を一つ焼き 杉本四十九士(「蒼海」)
春の土へにはとりを置く美大生 種田果歩(「蒼海」)
水無月や靴屋にゴムの匂ひ満ち 椎名果歩(「鷹俳句会」)
風死すや部室にビラの重ね貼り たなか礼(「鷹俳句会」)
巣立ちたる燕ちよこんと巣にをりぬ 新治功(「南風」)
鉛筆の薄きを好み夜の秋 市原みお(「南風」)
風薫る祈ればそこにわが師をり 進藤剛至(「ホトトギス」)
「アッ」とのみ入りし留守電夏の雨 金丸和代(「街」)
水泳帽つけてから服脱ぎ始む 竹内宗一郎(「街」)
書く前の半紙ひと撫でして涼し 矢野玲奈(「松の花」)