セクトポクリット【コンゲツノハイク】2022年4月 12句選
マフラーを巻く間に終る話かな 栗原和子(「秋草」)
色街の探偵事務所枇杷の花 野田万佐夫(「炎環」)
あたたかくベビーシューズが落ちてゐる 山尾玉藻(「火星」)
懐炉貼るかつて翼のありし位置 杉野祐子(「櫟」)
ゆく年やチェロ弾けば腿じんとして 冬魚(「澤」)
笑点の座布団ほどの冬日向 黒澤麻生子(「磁石」)
鏡餅映す鏡や美容室 小山博子(「鷹俳句会」)
キリストの腕のひろがり初日の出 草子洗(「田」)
お金にもお菓子にもなる木の実かな 椋麻里子(「ホトトギス」)
雪吊の中の空気のやはらかし 松野苑子(「街」)
霙るるや大きな揚げに振る七味 岸桃魚(「松の花」)
一皿にふたりの肴日短か 村田惠(「森の座」)