セクト・ポクリット「コンゲツノハイク」【2022年10月】 12句選
鯰見てぬれたる足のまま二階 橋本小たか(「秋草」)
冷房に番人のゐるオフィスかな 岡島理子(「炎環」)
手に触れて草に沈みし蛍かな 中嶋幸子(「円虹」)
影おとし帰りどきなる茄子の馬 五島節子(「火星」)
端居する雨の繊維に囲まれて 中塚健太(「銀化」)
白南風や駱駝膝より立ち上がる 三代川次郎(「雲の峰」)
右の手の火傷ケロイド汗かかず 矢野明日香(「澤」)
夏蝶の白し遺影の奥は海 篠崎央子(「磁石」)
俎に流るる木目メロン切る 原國郁子(「橘」)
民宿の子の背丈伸び貝風鈴 桑原規之(「南風」)
帰省はやフードコートに背を丸め 太田うさぎ(「街」)
十薬や染み一つなき友の肌 福嶋慈代(「松の花」)
今日、山田牧さんの句集『青き方舟』をぱらぱらと見ていたら、「あれ?知っている句がある」と思いました。
2021年5月のセクトポクリットのコンゲツノハイクに掲載されていた一句で、かつ自分が好きだと思ってnoteにコメントを書いていた句でした。
歳晩や脚立を借りに行つたきり 山田牧(「磁石」)
すごく嬉しい気分になりました。
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