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【Leica M11-Dレビュー】150万円の価値はある⁇1ヶ月半使ってわかったこのカメラの本当の魅力

ちーすたじお.です。

普段はYouTubeやInstagram、さらにThreadsやmix2などでも写真やカメラについて情報を発信しています。

今回の記事では、Leica M11-Dを購入してから1ヶ月半が経過したので、実際に撮影した写真や使用感を振り返りつつ、果たして「150万円の価値はあったのか?」をテーマについて、私なりにお話ししたいと思います。

Leica M11-Dを買う前は、「今あえて買うべきなのか?」と正直かなり悩みました。

しかし実際に使ってみると、その撮影体験にすっかり魅了され、「思い切って買って良かった」と感じています。

なぜそう思うのか、どんなところに価値を感じたのかを、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。

パリでLeica M11-Dを購入した様子はYouTubeにて公開しております。

ぜひチェックしてみてください。

なぜM11-Dを買ったのか


私は以前から**Leica M Monochrom (Typ246)**を愛用していました。

モノクロ写真しか撮れないカメラだからこそ生まれる制約が面白く、写真の豊かな階調にも魅せられていたんです。

でもやはり、「カラーのM型も使ってみたい」という気持ちはずっとありました。

そんなとき登場したのが、背面モニターを一切省いたM11-D。

まさに「カメラを操作する楽しさ」「撮影する所作を味わう」というコンセプトが前面に打ち出された機種だと感じました。

完璧な写真を常に追うというよりも、“どんな写真が撮れているか分からないからこそ、シャッターを切る瞬間に期待が高まる”という体験をしたいと思い、購入を決断したのです。

最近撮った写真の紹介

少し高い位置から街を見下ろし、大きな木やバスの往来、そして人々の動きを捉えました。

全体的に柔らかい光が差し込んでいるせいか、優しい色味に仕上がっています。

渋谷の都会的なにぎわいが画面におさまっているのに、どこか落ち着いた印象があるのが面白いところです。

同じエリアを、少し角度を変えて撮影しました。

画面中央を小さなカートが走っており、都会の道路との対比がなんとも不思議な雰囲気です。

撮影中は気づかなかった予想外の被写体が、あとでデータを見返したときに写っていると、ちょっと得した気分になります。

背面モニターなしのM11-Dだからこそ味わえる楽しさかもしれません。

工事現場の前を撮影した1枚です。

手前に柵やガラスの反射が入り込み、奥では作業している人の姿が見え隠れします。

一見すると雑然としていますが、レンジファインダーを覗くと、規則的なリズムがあるのが分かって面白いんですよね。

カメラを構えて、ピントを合わせ、露出を決め、シャッターを切る──

そうした所作をひとつずつ重ねながら撮ることで、“撮っている実感”がぐっと増します。

交差点の上を通る歩道と、その下を走る車道のコントラストを狙ったカットです。

光と影がくっきり分かれていて、ちょうど歩行者が横切るタイミングを捉えられました。

大きな構造物の下に人が小さく写っている構図は、どこか映画のワンシーンのようにも見えます。

M11-Dのセンサーによる微妙な色のグラデーションも、モノクロとは違った新鮮さを感じさせてくれます。

最後は、夜の東京駅・丸の内側を捉えた1枚です。

赤レンガの駅舎がライトアップされ、その背後には高層ビルがそびえ立ち、歴史と現代が交差する独特の風景が広がっています。

右手に見える街路樹や植え込みが暗い影となり、画面に奥行きをもたせてくれました。

夜景撮影の際にISO感度を上げても、Leicaならではの自然な質感が失われないのは嬉しいところです。

撮り終えてふと周囲を見渡すと、あらためて街の美しさに気づかされました。

そんな感動を与えてくれたのも、M11-Dの“撮影する所作の楽しさ”があったからこそだと思います。

背面モニターがない、という撮影体験

“チンピング”からの解放

ミラーレスカメラでは、つい1枚撮るごとに背面液晶で確認してしまいがちですよね。M11-Dには背面液晶がないので、撮れた写真をその場でチェックできません。

そのおかげで「今のカット大丈夫かな?」と気にしなくなり、シャッターを切った瞬間にすぐ次の場面へ意識を向けられるのが新鮮です。

撮影の所作を楽しむ

レンジファインダーを覗いて、二重像を重ねながらピントを合わせる。

露出を調整して、シャッターを切る。

この一連の動作を堪能できるのが、M11-Dの大きな魅力だと思います。

撮った写真が完璧かどうかよりも、“今この瞬間をどんなふうに切り取るか”に集中できるんです。

作品との“時間差”が生むワクワク感

撮影した写真をすぐに見られないため、家に帰ってデータを取り込むときには「どんなふうに撮れているんだろう?」とワクワクします。

フィルム時代のような感覚が、デジタルで味わえるのは貴重だと感じています。

ストイックではなく、むしろ自由

背面モニターがないと聞くと、「なんだかストイックな撮り方だな」と思われるかもしれません。

でも実際は、チェックしなくてもいいという開放感があり、むしろ何度もシャッターを切ったり、アングルを変えて遊んだりと、より自由に撮影できるようになりました。

なぜレンジファインダーなのか

1. 撮影時の主導権を自分で握れる

オートフォーカスが優秀なカメラが多い中、わざわざ手動でピントを合わせるのは不便に見えるかもしれません。

ですが、その不便さこそが“写真を撮る行為そのもの”としっかり向き合うきっかけになってくれます。

2. ファインダーの視野が広く、周辺を把握しやすい

レンジファインダーのファインダーは、実際に写る画角より少し広い範囲を見渡せます。

街中でスナップを撮るときにも、ファインダー外で動く通行人や車に気づきやすく、タイミングを計りやすいんです。

3. 写真との“対話”が増える

ピントや露出を自分で考え、被写体をじっくり観察することで、“今、何を撮ろうとしているのか”が自然と明確になります。

撮影にかける時間が増える分、後から写真を見返したときの思い出もより鮮明に蘇るのが面白いところです。

4. 不便さが生む愛着

“便利さ”をあえて排除しているからこそ、持つ喜びや使う満足度が増すという側面もあります。

ミスショットを通じて学んだり、ピントを合わせるコツを覚えたりと、カメラと一緒に成長している実感が得られるのも、レンジファインダーの魅力だと思います。

このカメラじゃなかったら撮らなかった瞬間

M11-Dを使い始めてから、「普通なら見過ごしてしまうちょっとした光景」を撮る機会が増えたと感じます。

背面モニターがないからこそ、「どんな写真になっているか分からないけど撮ってみたい」という気持ちが湧いてくるんです。

振り返ると、なんてことのない街角のスナップにさえ、そのときの空気や自分の感情が刻まれているのを感じます。

そうやって“撮る瞬間”そのものを大切に思えるようになったことが、M11-Dがもたらしてくれた大きな変化だと思います。

150万円の価値はあったのか?

これは人それぞれ考え方が異なると思いますが、私個人としては「十分に価値があった」と感じています。

最新のセンサーによる高画質やLeicaらしい描写力など、性能面は文句なしです。加えて何より、“撮影の所作を存分に楽しめる”という点が、このカメラの最大の魅力ではないでしょうか。

背面モニターがないことで、撮った写真をどう使うか、どんな思い出にするかというプロセスまでがワクワクする体験に変わりました。

もちろん、同じ金額で他の高性能カメラやレンズをそろえる選択肢もあるかもしれません。

それでも、M11-Dが持つ“独特の感覚”や“撮影に没頭できる楽しさ”は、このカメラでしか味わえないと断言できます。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Leica M11-Dを1ヶ月半使ってみて感じたことや、実際に撮った写真を通じて、このカメラの魅力を少しでも伝えられていたら嬉しいです。

私はYouTubeを中心に、InstagramやThreads、さらにはmix2でも写真やカメラに関する発信をしています。

もし興味があれば、ぜひそちらも覗いてみてください。

高価なカメラだけれど、“撮影の時間を楽しむ”“写真に想いを込める”という点を大切にしたい方にとって、M11-Dは唯一無二の存在になるはずです。

次回の更新でも、カメラや写真にまつわる話題をお届けしますので、ぜひお楽しみに。

もしこの記事が参考になったら、フォローやコメントをいただけるととても励みになります。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。




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