ACSとは!?
医療関係者の皆さん、ACSと聞いたら何を思い浮かべるでしょう。
わたしが思い浮かべるのはもちろん急性冠症候群(Acute coronary syndrome)でした。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のことですね。
ですが、医療界にはもうひとつのACSが存在します。
Abdominal Compertment Syndrome:腹部コンパートメント症候群
です。
腹腔内は、脊椎、骨盤、腹壁、内臓臓器、横隔膜などで覆われた閉鎖空間です。
ここに腹水や出血、消化管内ガスなどが増加すると腹腔内圧が高まりACSが引き起こされます。
ACSを発症すると
・後腹膜腔や腹腔内の臓器灌流圧の低下
・下大静脈の圧迫での静脈還流障害による心拍出量の低下
・横隔膜挙上での胸腔内圧上昇による換気不全
・頭蓋内圧上昇
など、多臓器不全に急速に進展し、致死的な状態になっていきます。
集中治療域で考えると、BとCの問題が同時に起きてしまいます。
※A:Airway気道 B:Breathing呼吸 C:Circulation循環
今日はここまで。次はACSの診断と治療について詳しく説明します。