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オランダで起こったチューリップバブル

以前から株式投資には興味があり、Youtubeで軽く聞き流しながら勉強していましたが、最近、本を読み始めました。

金融の歴史について勉強していくと面白いですね。

今日はオランダで起こったチューリップバブルについてお話します。

1539年、オランダに初めてチューリップという植物の球根が持ち込まれます。トルコ原産の珍しい植物で、オランダ内で次第に人気を博していきました。そして、かなり高価な植物でした。

ところで、チューリップにはきれいな縞模様ができているものがありますよね。これは、実はモザイク病と呼ばれるウイルスの病気にかかっているチューリップなのですが、花びらの模様が珍しいほど高値で売れるようになっていきました。

チューリップ熱が広まり、投機が始まります。次いで、商人たちはチューリップの値が上がるのを見込んで、大量に球根を仕入れるようになりました。チューリップの球根の値段は、見る見るうちに上がり始め、そして値段が高くなればなるほど、確実にもうかる投資対象として見られるようになりました。

たかが球根の値段がこれ以上上がるわけはないと、最初は馬鹿にしていた分別のある人たちも、友人や身内が巨大な利益を上げるのを目の当たりにして悔しがりました。チューリップバブルのピークは1634年から1637年にかけての数年間のことでしたが、その頃には土地、宝石、家具などと引き換えにしてまで球根を手に入れる人もいました。

また、現在では「コール・オプション」と呼ばれる手法に似たものが、このころ開発されました。その持ち主にあらかじめ決めた価格で、一定の期間中に、チューリップ球根を変える権利を与えるものです。

例えば、現在100ギルダーのチューリップの球根をこの値段で買えるコール・オプションが、20ギルダーで購入できるとします。もし、この球根の値段が200ギルダーに上昇したとすると、コール・オプションの持ち主はオプションを行使します。つまり、その人は球根を100ギルダーで買うと同時に市場で200ギルダーで売るのです。そうすることによって、200ギルダーから100ギルダーと20ギルダーを差し引いた80ギルダーを、利益として得ることができます。

オプションに投資した人は、元本を5倍に増やせたことになります。普通に投資していたら利益は2倍のはずでした。
より少ない元本で、投資資金を有効に活用することができるので、このような手法の導入により投機への参加者は一般市民にまで大きく広がっていきました。

こうして値上がったチューリップの球根の価格は、どのようにして下落していったのでしょう。
また、損失を回避できた人はいたのでしょうか。

次回はチューリップバブル崩壊について説明しますね。

参考文献:バートン・マルキール著、井出正介訳「ウォール街のランダム・ウォーカー」原著12版