はじめて買ったCDが思い出せない
はじめて買ったCDって、何だったのだろう?
大学時代、食うに困って売りに行くくらい大量に持っていたのに覚えていない。
しかしながらはじめて買ってもらったレコードと、はじめて小遣いで買ったレコードは覚えている。
はじめて買ってもらったレコード
はじめてレコードを買ってもらったのは、小学生時代。
家にあったレコードは、父親が持っていた「ビートルズ」や「ママス&パパス」「ビーチボーイズ」くらいしかなかった。渋い。
そういえば、リンゴスターが入る前のビートルズのレコードなんかもあったな。
……綺麗においてたらひょっとしてぜんぶ高く売れたんちゃうんかい。まあええわ。
僕はといえば、本の付録についていたペランペランの赤い「ソノシート」くらいしか持っていなかった。
一方、妹はピンクレディーのレコードを持っていた。なぜだろう。兄妹差別かな。
「僕もレコードが欲しい」
LP(アルバム)とはいわん。EP(シングル)でいい。なんで妹にはあって俺は持ってないねん。兄妹差別かな。
しかしお小遣いをもらっていない僕にとって、レコードを自分で買うのは不可能だった。
ソノシートは聞きすぎてすり減り、雑音の方が大きくなっていた。ペランペランなので折れ曲がり、レコードとしての寿命を終えたソノシートもある。
もうソノシートはイヤだ!なんとかレコードをゲットしてやる。
ゲットするには、誰かに買ってもらうしかない。
「自転車を買ってやる」といって園田競馬場に連れて行くような父親に頼んでもムダなのはわかっている。
でもどうしてもレコードが欲しい。
こうなったら奥の手を出そう。おばあちゃん、出動だ。
こうしておばあちゃんに買ってもらったレコードは、これ。
「恋のぼんちシート」ザ・ぼんち
漫才ブームだったしね。音楽もよくわかってないし。
しかし待望のマイレコードなので、擦り切れるくらい何度も聞いた。
B面の「オーバーチュア・海」というよくわからん曲はあんまり聞いていない。
このとき、なぜか妹も「ドリフの早口言葉」のレコードを買ってもらっていた。差が埋まらんがな。
実はこのレコードも、妹に黙って擦り切れるくらい聞いていたのだ。
B面はカラオケだったので、ドリフ全員を一人で演じ分けて歌う(しゃべる?)ひとり上手な楽しみ方をしていた。
この2枚のレコードが、現在の僕のこじれた性格を作り上げる元となったのかもしれない。
はじめて自分で買ったレコード
はじめて自分でレコードを買ったのは、中学生になってからだ。
毎月のお小遣い制になったので、小遣いをもらっては近所のレンタルレコード店に行き、聞きはじめた洋楽ばっかり借りてカセットテープに録音していた。
レンタルレコードは新しいものもすぐに聞けるし、何より安いのでありがたかった。
でもやっぱり自分のレコードが欲しい。
物欲だけは小学生時代からあいかわらずだった。
そこで、毎月の小遣いで買えるEPをとりあえず買ってみることに。
さて、何を買おうか。
少ないお小遣いで買うのだから、コスパのよいものがええな。
せや!できるだけ長い曲のやつにしよう!
……「せや!」やあらへんねん。
いま思えばそもそも考え方がおかしい。音楽にコスパもくそもあらへんがな。
しかしその頃はまったく疑問に思わず、売っている中で一番長い曲というものさしだけで選んでいた。
それだけを基準にして選んだのが、
「キャノンボール」スーパートランプ
という1枚。
……誰?どんな曲?アビーロードのパ○リ??
知っている情報まったくなしで買うという暴挙。
じつはスーパートランプはとてもビッグなバンドだった、というのも買ってから調べて知った。
この曲がどれくらい長かったか忘れたので調べてみると、なんと7分42秒。
そんなに長かった?1曲で2曲分くらいあるやん。
一粒で二度おいしいアーモンドグリコ的な感じか。
とにかく長さで選んだので、長い曲だというのは間違いない。
このレコードが、現在の僕のせこい性格を作り上げる元となったのかもしれない。
と、このような感じ。
ちなみに「ザ・ぼんち」「スーパートランプ」とも、まだ現役で活動している。
それはそれですごくない?
なお、高校生以降の音楽の趣味嗜好に関して、この2枚はほとんど影響していないのも興味深い。どうでもいいか。
おしまい。