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ぼっち小娘がロースクール入試をギリギリ耐え抜いた話①


はじめに

 初めまして。某国公立大学法学部に通う、ちいむすめと申します。半独学で無事、某国公立ローに拾っていただけたということで、自分向けの備忘録として、また、これからロー受験をする方が私のだめさっぷりを見て笑い、そして安心してもらえればと思い、記事を書いてみることにしました。

 決して大手を振って公開できるような戦績ではないので、受験校諸々は伏せて書かせていただきますが、ロー入試最下層小娘の様子をお楽しみいただければと思います。

【2024.5.21加筆】ロー入試の成績開示を受けて。
 結果は、総合得点率47%、全体1位という成績でした。弊ローレベルでは1位でも、私よりできる人はごまんといるのが現実なので、あんまり偉そうなことは言えないのですが、少しだけ。
 以下に記した通り、頭空っぽ状態から学習をスタートし、予備校を使わず(市販教材は購入しましたが)、ぼっちでドタバタしながら勉強していてもなんとかなる、ということだけはお伝えしておきたいです。ネットを見ていると、独学はオススメしない、さっさと予備校を使うべし、というのが大勢のような気がしますが、大丈夫です。超上位ローを目指さない限りは、予備校に通ったり、講座をとったりしていなくたってロー入試は受かります(多分)。自分を信じてください。でも、時には自分のやり方を疑ってください。
 それから、本格的に受験期になってからの話ですが、何校落ちても次は受かるかもしれない、受かってみせる、受かるしかないと思って諦めないことが大事です。私は、1校目(不合格)より合格校の方が難易度が高かったにもかかわらず、下剋上的に?合格できました。途中で闇落ちしてもいいので、どっかで持ち直して、諦めずに勉強を継続すれば、合格レベルに達することができうる、というのは忘れないで欲しいです。
 ロー入試に向けて頑張っている皆さん、応援しています。


↑偉そうなことを書いていますが、本当にしっちゃかめっちゃかな8ヶ月間なので、こんなもんでも受かるんだ、と思っていただければ幸いです。では本編。

学習開始前

 私がロー入試の勉強を本格的に始めたのは入試のあった今年の2月末です。3年の夏までは就活をするか、ロー進学をするかでそもそも迷っており、授業もそんなに真面目には受けていませんでした。
 詳しい経緯についてはまた別の記事で書いてみようかなとも思っていますが、とにかく、私がロー進学の覚悟を決めたのは3年の9月で、この時点での私の成績はお世辞にも良いとは言えないものでした(六法科目のみのGPA1.7)。大半が遠隔授業期間に履修したものだったのに、です。もちろんテストはオンラインだったので……この先はお察しください。

学習概要

 そういうわけで、成績はあまり良くなく、その場しのぎ学習だったお陰で本格的に学習を開始した2月末時点での私の頭の中はほとんど空っぽです。刑法ゼミに所属していたので刑法総論の大論点くらいは辛うじて知っている、という程度でした。この状態から私の孤独な戦いは始まりました。

2~4月

・憲、民、民訴、刑訴のインプット
 読み切れる自信が一ミリもなかったので基本書通読はしませんでした。某ルートさんが出版している論証集を買ってきてキーワード、理由、結論にそれぞれマーカーを引きつつ、わからないところは基本書を読んで書き込みをするという流れでインプットしていきました。
憲法に関しては某ルートさんは論証集を出していなかったので呉明植基礎本の巻末についていた論証カードを使いました。

5月~7月

・憲、民、民訴、刑、刑訴のアウトプット
 4月の中頃から、インプットが終わった科目は同じく某ルートさんが出している論文式の問題集に取り掛かりはじめました。当然ながら、論文答案の書き方などわかっているはずもなく、何なら論点も拾えないレベルからスタート。問題を見てそれっぽく作文、模範解答を見て赤入れ。そのあと該当論点の論証集を読み直したり基本書で理由付けの理由を確認したり、という流れで7月いっぱいまでの間に最大で3周ほど問題集を回しましたが、振り返ってみるともうちょっとやりようがあったなぁと思います。Twitterで得た情報から、フル起案ではなく、答案構成+論証もどきみたいな感じで書いていたおかげでそこまで大きく時間を無駄にせずに済んだのは不幸中の幸いでした。

・会社法の仲間入り
 受験校を増やした関係で会社法が受験科目に加わりました。ここでも前記の論証集+基本書作戦を決行したものの、何の成果も得られないまま時間だけが過ぎていきました。会社法を使わない1校目の受験が迫ってきていたこともあり、絶望のまま会社法は放置されることになりました。
 会社法の全貌もつかめていなければ基本のキもわかっていない状態でこの作戦は本当に本当に悪手だったので絶対にマネしないことをお勧めします。

・1校目過去問
 迫りくる1校目の受験に向けて7月末に過去問を解いてみたところ、問題集でやったような問題ばかりで「アレ、もしかしていける?」と思い、会社法の絶望から立ち直りました。ちょろい。細かい知識の確認が必要だと気づき、遠い昔に買って放置していた民法サブノートと刑法サブノートを引っ張り出してきて解いてみるなどして自己肯定感を高めていきました。

8月

・1校目受験
 詳細は次の記事に譲ることにするので、そちらを参照していただければと思います。

・会社法の再来
 1校目受験が終わったということは2校目の受験が差し迫っているということで、2校目の受験が差し迫っているということは会社法をやらなければならないということで再び絶望。といっても、もう基本書を読んでる暇はありません。だってあと2週間しかないから。
 やけくそで一問一答を買ってきてそれを覚えることに徹しました。YouTubeで会社法の講義をしている動画も見漁りましたが、結局ダメで、もう一問一答に縋るしかなかった。出題形式が事例ではなくて説明だったのであきらめて丸暗記作戦にシフトしました。

・憲法ピンチ
 1校目の受験、そして2校目の過去問を解いてこれまでの憲法学習にとんでもない欠陥があったことに気づきました。そうです。憲法の勉強において一番大事な判例学習を全くすっ飛ばしてきてたんです。ぼっちで勉強していたおかげでここに来るまで全く気付くこともできず。この辺は自分のリサーチ不足を呪いたいところ。でもここで気づけて良かった(手遅れ)。
 大慌てで判例百選を読み始めたものの、2日で頓挫。やり方を変えて、今度は判例六法に載っている判例をWordにひたすら打ってまとめたものを作ることに。いわば大事な判例の大事なところを写経したことになり、ある程度脳内に判例のストックが出来上がりました(当社比)。

・2校目受験
 こちらも詳細は次の記事に譲ることにします。

9月

・虚無
 夏の受験が終わり、すっかり気が抜けてしまって9月は本当に虚無でした。勉強したのは最初の1週間くらいなもので、そこから先は限りなくゼロの状態。まさに燃え尽きたって感じでした。気が早い。

・目覚め、闇
 月末に2校目の合格発表があり、そこでやっと目が覚めます。大ピンチ。大慌てで3校目の出願をし、勉強を再開……の前に闇落ちを挟みます。虚無からは目覚めたけど目の前真っ暗。

10月

・最後の悪あがき
 まさに背水の陣に追い込まれ、やばさのあまり闇から何とか這い出してきました。
 まずやったのは某ルートさんの問題集の出来が悪い問題をもう一周。この点は、これまで何周かする間に〇×△で出来栄えを都度メモしていたことが功を奏しました。変更したのはフル起案をすること。ただし、手書きでやっていたのではとても間に合わないししんどい、ということでパソコン入力でフル起案しました。おかげで全科目の△と×の多かった問題をすべてさらうことができ、フル起案することで何をどこで論じるべきか、繋ぎの言い回しはどうしたらいいかという点に注目して丁寧に赤入れすることができ、自己添削の質が向上(当社比)しました。一番良かったのは、このタイミングでようやく答案の型が完成したことでしょう。当たり前のことにここで気づきました(てへぺろ)。

・憲法の躍進
 8月にピンチを迎えた憲法が今度は路頭に迷い、ギリギリのところで一皮むけました。理由は3つあって、まず一つが前述のフル起案。そして『憲法判例の射程』『判例から考える憲法』という別のテキストを活用したこと。最後にnoteで販売されている憲法の論証集とかまとめテキストを購入したこと。もうこの3要素は私の憲法の恩人(?)です。ありがとう。とにかく、予備校を利用せずに勉強している人で憲法で路頭に迷ったらこれらのうちいずれか一つでも試してみることを激推しします。

・過去問、過去問、過去問……
 これまでの受験では、過去問は1年分しか解いていなかったのですが、何を思ったか過去問を5年分解きました。これだけは手書きのフル起案とし、時間配分やら集中力の配分やらの練習にしました。

・3校目受験
 こちらも詳細は次の記事へ。


 というわけで、私の約8カ月にわたる学習はこのような形で終了しました。
大学入学後から着々とロー進学のための準備をしてきている人や、予備校を利用して学習を進めている人にとってはツッコミどころ満載のドタバタな8カ月に見えると思います。それが正常です。こんな私でもなんとかローに拾っていただけたので、あなたもきっと大丈夫です。

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