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グルテンフリーを始めた54歳のおじさんと意気投合した話

小麦を制限し始めて間もなく一年。
食事の選択に我慢することはなにもない。
3食米でも1週間米でも、パンを我慢しているとか内心パスタが恋しいとかそういうのではない。
米粉パンに出会えば、選んで食べることもあるけれど、なければ米で十分。
体と心で選ぶものが 米 なのだ。

おじさんの体調不良

そんな当たり前になっているゆるグルテンフリー生活を送る私だが、男性ばかりの職場ではあえてそのことを口にしていない。
ある時、職場によく来るトラックの運転手さんの様子がいつもと違うことに気づいた。
赤みを帯びた顔に、半袖から伸びる腕にはボコボコした湿疹。
いつもの挨拶の延長から体の具合を伺うと「尋常性乾癬」という皮膚の病気を患ったという。
さらに、関節がリュウマチのように痛くなる関節炎も併発しているそうで、とてもしんどそうだった。
その病に直接的な治療法はなく、痛み止めを服用しながら生活を送っている現状を知った。

それを聞いて10日ほど経った頃、おじさんはまた現れた。
その顔はいつものおじさんだった。
「調子よさそうですね、合うお薬あったんですか?」
という私に
「グルテンフリーって知ってる?」
そう返ってきた。

おじさんとグルテンフリーという単語は似つかわしくなかった。
そして私の興味関心のあることだったので、思わず
「私それやってますよ!」
高ぶった声で返した。

聞くと、同じ病気の人が集まる患者会なるものに参加したときに、グルテンフリーを勧められたらしい。
絶対何か変わるからと、先輩患者のおじさんから新米患者のおじさんへグルテンフリーの食事法の情報が渡ったそうだ。
新米患者のおじさんは、藁にもすがる思いでグルテンフリーを調べた。

おじさんグルテンフリーをはじめる

その話を聞いた次の食事から、一切の小麦をやめた。
好きな揚げ物も衣を懸念して食べない。
奥さんが好きなパン屋巡りに付き合う時には、運転手に徹して自分は食べない。
好きな和菓子も、どら焼きはNGに。
醤油も小麦が入っていないものに買い替えた。

数分の立ち話だったけれど、真剣にグルテンフリーを実践しているのが伝わってきた。
その口調がとても明るくて、楽しそうなおじさんがかわいかった。

効果を聞けば、驚くばかりの内容だった。
皮膚の赤みはすぐに消え、腕に現れた凸凹もほとんどわからなくなった話に思わず拍手をした。

グルテンって何者?
小麦ってそんなに悪いものなの?
おやつは干し芋とせんべいに限る!
おじさんと私はそんなことを言い笑い合った。

おじさんはなぜ私がグルテンフリーを?と不思議がった。
私もすっかり始めた時の気持ちを忘れていた。

そう。
私の場合はたまたま読んだ本でグルテンフリーを知った。
体調が良くなれば儲け物だというような、軽い気持ちで初めたのが今に至っている。

読み返せば便通の改善、肌の感覚。
色々な効果を感じていた初期の頃。
体感というのは忘れるものだ。
文章に残しておいてよかった、と強く思った。

あくまでゆるグルテンフリー生活の私だが、効果が顕著に現れているおじさんの話を聞いた今、体調不良の時にはきっぱり小麦を断つ手段を奥の手として持っておくと思えば心強い。

ここ1ヶ月ほど、外食続きでお客さんも多くて美味しいものやケーキなどを食べることが多かった。
ひょっとしたらそれがあの2日連続の偏頭痛をもたらしたのかもしれないと、点と点を線で繋げてみたり。
おじさんを見習って、食生活を今一度見直す機会か。
きっかけをくれたおじさんに感謝する。

※あくまで1人の体験談です。
病気を改善させる作用があるかは個人差だと思うので参考程度にお願いします。

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