奨励金付与率5.0%→50%に引き上げ 地域新聞社が持株会にこだわるワケ
※2024年2月の東証グロース市場において時価総額が最下位だった当社が下克上を目指す挑戦記です。ぜひフォローして下さい。
こんにちは。株式会社地域新聞社(2164)コーポレートコミュニケーション室の五十嵐(いからし)です。
当社ではこの6月から従業員持株会の奨励金付与率を50%に引き上げました。
これまでの奨励金付与率は5.0%だったので、かなり大幅な引き上げといえます。
実は当社の持株会加入率は現在7.6%。奨励金付与率アップは、持株会への加入促進の狙いもあります。
そのためには持株会について、まずは社員に理解してもらうことも大切。
今回は、当社の持株会理事長でIR担当の髙取に、いまさら聞けない持株会のイロハを教えてもらいました。
従業員持株会とは?
従業員持株会というのは、従業員の皆さんが給与の一部で自社の株を購入できる仕組みです。多くの上場会社で、一般的には福利厚生の一環としてこの制度が設けられています。
しかし、当社においては以下に述べるようなメリットが多数ある上に、時価総額の伸びしろはある意味最もある会社だと考えていますので、福利厚生という枠組みを超えた「従業員にとって最も効果的な資産形成」として活用してもらおうと、本制度の見直しを行うことといたしました。
持株会の特徴は、奨励金率(会社が購入金額を上乗せしてくれる割合)によって、同じ金額でも従業員持株会を通すことで株数を多く得られる点。
また、毎月の給与から天引きされた金額で自動的に買い付けるので、個人で売買するよりも手間や面倒がないのもメリットです。
奨励金率は会社によって異なりますが、一般的には8~9%が平均値のようです。
私の感覚としては20%でも「おお!」という感じなので、今回当社が定めた50%はかなりインパクトがある数字だと感じています。
単純に、投資した金額の1.5倍分の株数が持てるということなので、これは大きいです。
従業員持株会のメリットは?
従業員持株会の加入率が上がると、会社にとってもいいことがたくさんあります。
従業員が自社の株を持つことで会社の株価を意識するようになる。すると経営参画意識や業務への意欲が高まり、人的資本面の強化となります。
特に今は時価総額40億に向けて会社が大きく成長している時期。自社株を所有することが、個人の資産を形成する上で大きな支援にもなるはずです。
さらに、多くの人が持株会に加入してくれれば、それだけ長く安定して自社株を持つ人が増えるということ。株式の長期ホルダーが増えるということは、従業員に限らず、当社の経営方針に照らし合わせても歓迎すべき好ましいことだと考えています。
持株会ってどうやって株式を購入するの?
とはいっても、投資をやったことがない人にとっては、なかなかイメージがわかないもの。
当社では財形貯蓄も行っていますが「どう違うの?」という質問もよくあります。
そこで当社のケースを用いて、従業員持株会の仕組みをかみ砕いて説明してみます。
ミニマム1,000円~OK
持株会に入る際にはまず申し込みの「口数」を決めます。
地域新聞社では、従業員の場合は1口(1,000円)から申し込み可能で、最大50口(50,000円)。
例えば、Aさんは1口、Bさんは5口、Cさんは10口申し込んだ場合、合計は1万6,000円です。
さらに奨励金として会社が50%を負担して上乗せされるので、1万6,000円×1.5=2万4,000円が当社の持株会の拠出金となります。
月初に証券会社がまとめて買い付け
その拠出金をもって、月初めに証券会社が地域新聞社の株を買い付けしてくれます。
もちろんその時の株価によって、購入できる株の数は違います。
仮に1株430円で購入した場合には、55株。
その55株が口数に応じて、Aさん、Bさん、Cさんに割り振られます。
小数点以下まで余りのないよう振り分ける
でも、余りが出てきれいに割り振れない場合はどうなるのか。
余った株を小数点以下まで細かく刻んで割り振ります。野菜の「カブ」に例えるなら、「カブ3個と4分の3個を付与します」みたいなイメージですね。
なお、拠出金の端数は翌月に繰り越しされます。
持株会で得た株を売却するには?
持株会で得た株を売却するには、まず自分の証券口座に株を移動する必要があります。
証券口座がなくても持株会への加入はできますが、あらかじめ開設しておくとあとあとスムーズです。
ただし、好きなタイミングで手放せるというわけではなく、売却する場合には必ず会社への申請が必要です。
その際、インサイダー期間に当たらないかどうかを判断して責任者が承認しますので、むしろ個人で行うよりもインサイダー取引規制に違反するリスクは低いといえるかもしれません。
自分が今どのくらいの株を保有しているかは、半年に一度のペースで届く報告書に目を通すか、その都度総務の担当者に聞くかで確認できます。
いい意味で「モノ言う株主」が社内に増えてほしい
私は入社した時から持株会に加入しています。
「決まった金額を決まったタイミングで長期間投資する」というのが、株式投資のセオリーの一つにありますが、毎月一定数買い付けをするので、これまでの平均取得単価が実際の株価に対して、極端に高くなったり低くなったりしている実感はありません。これもメリットかもしれませんね。
持株会への加入推進によって、会社にとってもさまざまなメリットがあることは先ほどもお話ししました。
個人的には、社員が自社株を持つことで、いい意味での「モノ言う株主」が社内に増えてくれたらいいなと思っています。
誤解を恐れずに言うなら私自身、各部門の損益だけに注目していてはだめで、会社全体の損益が一番大事という考えを持っています。
従業員一人一人がそういった意識を持つことは、会社の成長にもつながっていくはず。
投資なので全くリスクがないわけではありませんが、社員のベクトル合わせという意味でも、従業員持株会ってとてもいい制度だと感じています。