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第12回 篠山フィールドステーションを拠点とした 地域連携活動の展開と今後の展望

2015.09.29
清野未恵子
地域連携センター特命助教

概要
篠山フィールドステーションを拠点とした地域連携事業のコーディネートを約5 年間勤めた清野未恵子さん。地域連携事業として、研究・教育・交流活動を進めるなかで、地域側と大学側のメリット・デメリットのずれを感じることがあったそうです。そうしたずれが解消され、「うまくいった」事例から、地域と大学どちらにとってもメリットのある地域連携とは何かについて話題を提供くださりました。さらに、今後の神戸大学(または農学研究科)の地域連携事業の展開についても議論が行われました。

第11回は
地域連携センター特命助教の清野未恵子さんです。

地域連携とは
「地域と大学とが一緒になって
 地域(または大学)の課題を共に解決する手法のひとつである」。

篠山フィールドステーションを拠点とした地域連携事業は
大きく分けると4項目挙げられます。

 ①“丹波赤じゃが”をモデルとした地域特産品開発
 ②実践農学入門を通じた都市農村交流
 ③“考える農民”育成から学ぶ農村づくり
 ④コーディネーター ≠ 駐在員

①“丹波赤じゃが”をモデルとした地域特産品開発
 
 大学側が2010年に農学部の遺伝資源を活かし赤じゃがを開発。

 2011年にパッケージデザインや1日赤じゃがレストランの開店といった
 販売促進という人的投資を初期段階に行っています。

 以降、地域側での活動も活発になり2012年には生産体制を構築し
 また新たな特産品の開発がされ
 農村女性の参加も多くみられるようになりました。

 今年は助成事業やファンドを利用し
 本格的な6次産業化にまで発展させることができています。

 継続的なかかわりを持たずとも、地域が自ら考え
 多様な人的・知的資源を利用した好例であるといえます。


②実践農学入門を通じた都市農村交流 
 
 2008年から1年かけて篠山の農家に大型バス1台で訪問し
 弟子入りするという授業をはじめました。

 現在では
 他学部の学生も応募し抽選となるまでの人気授業となっています。

 この授業が一定の成果を収めているのは

 校区単位で毎年受け入れ先を変えたこと
 受け入れ地区を公募によって決めたこと
 学生が希望する学びのスタイルと一致したこと
 教員が“軽く”現場に触れる機会となったこと

 があげられます。

③“考える農民”育成から学ぶ農村づくり

 地域にとってのフィールドステーションの役目は
 人材育成です。

 具体的に行ったことは、一例をあげるとセミナーの実施です。

 セミナーも手作り感あふれたものから始まり
 徐々に洗練されたスタイルへと変貌をとげています。

 今はRural Learning Networkというタイトルでおこなっており
 会員制としたことにより参加人数の安定もはかられました。

④コーディネーター ≠ 駐在員

 コーディネーターに必要なのは
 地域のリーダー、ブレインを見極める力です。

 それに対して駐在員は
 日常的なコミュニケーションを促進する力が大切であり
 気の良さ、フットワークの軽さが重要となります。

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今後
さらに地域連携活動は大学にとって必要な要素となってくるでしょう。

多くの先生方にかかわってもらうためには
先生方にとって魅力のある実習を考え
参加意欲を高めてもらえるようにすることが
コーディネーターに求められることです。

また
地域の方の喜ぶ笑顔をみることがなによりの成果であると実感し
その役目が果たせるように働くのも
コーディネーターの務めであるといえます。

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