ふと。
たまに、ほんとごくたまに親父に会いたくなる時がある。
まぁ会いたいと言っても物心ついた頃から
「お父さん」なんて存在はいないので
母が親父代わり、祖母が母親代わりみたいな
そんな家庭で育った僕。
親父が居ないからと言っても特に辛い事はなかった。
まぁ養育費すらも払われてないから
家庭の金銭面はもちろん貧乏で辛かったけど。
親父が居たら居たできっと
貧乏は変わらんかったやろうなとは
今になってわかる。
苦労ばかりをかけてしまった母親には
本当に頭が上がらないし
好きなことをやらせたいと
お金工面して野球もさせてもらえた。
感謝をしてる。
そんな僕でも
ふと親父に会いたくなる時があるのだ。
もちろんどんな人間なのか
色々あった事も聞いた。
アル中ばりに酒を飲んでた時期の母が
酔っ払った時、必ず
「お前の顔はあの男そっくりで腹が立つ」と
よく罵声を浴びせられたもんだ。
どんな男なんだろうか?
顔は似ているのだろうか?
色んな相談をしたら
ちゃんと話を聞いてくれるのだろうか?
そもそもわかるのだろうか?
ふと、会ってみたいと思った。