見出し画像

【おうち遊び】 "たべる華道"をつくってみよう

はじめまして、井上千聖と申します。
メーカーで企画の仕事をしつつ、1年前に会社の華道部に入部しました。

みなさん、これまでにお花をいけた経験はありますか?

もしかしたら、少しハードルが高いかもしれませんね。私も、華道をはじめるまで「華道=遠い存在・厳かなもの」という印象をもっていましたが、やりはじめると「初心者にも優しく、自由なもの」であることを知りました。

花をいけている時間は、「あれ、足そうかな」とか、「ここ、ちょっと曲げてみようかな」とか、自由に挑戦できる、楽しく無邪気な時間なんです。まるで、小学校の図工の時間みたいに。私にとって、最近すこし忘れていた時間の使い方でした。

今回は、「書道を小学校で習うように、華道がもっと身近になれば…!」という想いで記事を書いてみます。

01:きっかけ

少し前の話になりますが、大学の友人である高橋くんに「最近華道をはじめたんだよね」と話をしたとき、高橋くんがこんなことを言い始めました。

高橋「華道ってハードルが高い気がするなあ。そもそも、『道』ってつくものは、なんだか全部敷居が高い気がするよ。花屋さんもハードル高い!男の子1人で入りにくいし…。」 

井上「実際にやってみると、楽しいし、色々学べるからおすすめなんだけど…。もっと、簡単に体験できる方法があればいいのにね。」

高橋「華道をやりはじめて、びっくりしたことってあったりする?」

井上「ある!花だけじゃなくて、(紙とかアルミとか)異素材をまぜこむ作品を展示会やインスタで見るんだよね。」

初めて「華道・展示」で検索して見つけた、大薗彩芳さんの個展。そこで出会った作品です。(鉄を使われているそうです。)とってもかっこいいですね…!

井上「私が習っている草月流では、豊作を願うために野菜とか果物も一緒にいけることもあるみたい。盛物:もりものっていうらしいんだけど。」

高橋「へー、花だと買いづらいけど、野菜だったら簡単に手に入るね!最近自炊もはじめたし、それだったら少しハードル低いかも。」

井上「じゃあカレーとか、食事のメニューをそのまま華道にしてみよっか!野菜を買ってきて、いけて、愛でてから食べる!みたいなのはどうかな?」

そんな会話をきっかけに、「たべる華道」がはじまりました。

02:「カレーの華道」をいけてみた!

今回は「盛物」を参考に、春野菜のカレーの食材を華道にしてみます。 失敗しても、さいごはお腹の中!笑 せっかくなので、しっかり華道の基本も学びながら…やってみましょう。(高橋くんも、これならやりやすいかも。)

華道には、美しくいけるためのコツがつまった「型」が、各流派ごとに存在します。今回は、草月流で一番最初にならう型「基本立真型」をモチーフに作品をいけました。

完成した作品はこちらです。

画像7

おおきな花が咲いているように、中心からふわりと広がるようにいけました。

画像8

特に、たまねぎの先がくるんと外側にむいている様子や、アスパラガスの先端の細かなデザインが気に入ったので、その魅力がきちんと伝わるように意識しました。

画像9

画像10

作品を横からみると、立体的になっているのがわかりますか?

画像11


03:「カレーの華道」のつくりかた

画像12


では、レシピをご紹介します。

材料
・アスパラガス
・ジャガイモ
・タマネギ
・ニンジン
・リンゴ
(・豚肉 )
(・カレーのルー )
※豚肉とルーは、作品には使いません

つくりかた
下準備:土台の食材をえらぶ
手順1:主役の食材をえらぶ
手順2:主役の食材を型にならっていける
手順3:のこりの食材を自由にいける

下準備:土台の食材をえらぶ

画像10

まずは、土台を準備します。華道は、本来は「剣山」とよばれるものに花をさしますが、たべる華道の剣山は、どこの家庭にもあるつまようじと、つまようじが刺さりやすい野菜でつくります。今回は、リンゴをチョイスしました!

手順1:主役の食材をえらぶ

画像11


草月流の型では、三本の主要な枝(主枝:しゅし)の長さや方向を変えて組み合わせることで、色々なかたちを立体的につくりだすことができます。主枝は3種類。一番長い「真:しん」、二番目に長い「副:そえ」、三番目に長い「控:ひかえ」です。

主枝の選び方は、自由。今回は、長さが足りるか、主役として安心感がある太さか、おもしろいかたちかを意識しながら、アスパラガスとニンジンを選んでみました。


手順2:主役の食材を型にならっていける
では、土台に主枝をさしていきましょう!今回は「基本立真型」にならいます。ここでのポイントをまとめてみました。

画像12

真…場所は奥、自分の左肩にむけて約10~15傾ける
副…場所は左手前、自分の左肩にむけて約45°傾ける
控…場所は右手間、自分の右肩にむけて約75°傾ける

この3本が、高さと幅、奥行きを表現して、いける場所を定めてくれます。

手順3:のこりの食材を自由にいける
主枝をいけたら、残った素材で全体を華やかにしていきます。(主枝以外の枝を、「従枝:じゅうし」といいます。)
主役は、主枝です。従枝の本数に決まりはないけれど、主枝よりも長くならないことがルールです。目立ちすぎちゃいますからね。

今回、私はタマネギを意識して使いました。タマネギは、外側の皮をむいたら白くてとてもきれいで、花びらみたいにみえたので、思い切って分解していけてみました。

画像13

このように、自分の気に入った食材を、自由に組み合わせてつくります。図工の時間っぽいでしょ…!

これで、完成です!

画像13

簡単でしょ?

じゅうぶん作品を愛でたら、別れを惜しみながら、さいごは美味しくいただきます!

画像10

春野菜、おいしいなあ。

04:さいごに

家にあるものでつくれる、たべる華道。
「選んで、いけて、愛でて、食べる」無邪気な時間はいかがですか?

型があるから、はじめてでも楽しむことができるし、全体のバランスを保ちながら、自由に遊ぶことができます。
使う食材だって、自由です。冷蔵庫であまっている食材が、すごい活躍をみせるかもしれません。

さらに、「どの食材を使おうかな~」と、(これまでにないぐらい)野菜のかたちをじっくり見るので、野菜に愛着がわきます。カレーもいつもより美味しく感じちゃう…。

おうちで過ごす時間が増えた、昨今。そんなときに、ちょっとでもたのしく華道に触れていただけたら幸いです。一人でもくもくといけるもよし、お子さまと楽しくいけるもよし。今晩の料理をする前に、ぜひ試してみてください!


【予告】
次回は、高橋君がトライします。井上はリモートで応援!

画像9


同じ食材なのに、全然違う作品ができた模様…
詳しくは、高橋君の記事へ!

#おうち時間を工夫で楽しく #たべる華道 #花 #料理 #暮らし


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?