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夜が明ける

作家西加奈子の新作「夜が明ける」を読み終えた。
ただただ力強かった。
迫りくるものがあった。

あまりにも迫ってくるもがあったから、ざっくりとここに書いておく。
詳しい感想はブクログにいつか。
https://booklog.jp/users/chiiiko1119/profile

本当に苦しい時に、「助けて」と言える人はどれくらいいるのだろうか。心や体調を崩す手前でみんな堂々と「助けて」といって欲しい。

人それぞれ苦しさはあって、その苦しさの度合いは計り知れないのである。私にとっては、些細なことも、違う誰かにとっては夜も眠れないぐらい辛い事だったりする。だけど、自分に余裕がないと人の「助けて」に寄り添えなかったりする。“そんなことで”とみてしまう自分。そんなときは案外自分自身が「助けてほしい」と素直に言えないときなのだなと調子がいいときは思う。調子が悪い時は、搾取されているのかなと思ってしまう自分はえらくひねくれているのだろう。

ふと思い出したのだが、人のコミュニケーションは、「ありがとう」「ごめんね」「助けて」で事足りるというのを何かで読んだことがある。本だったか、誰かのツイートだったか、研修だったか忘れてしまったのだが。

そこから、勤務先の保育園の子ども達には、「ありがとう」「ごめんね」はもちろん、加えて「助けて」「手伝って」という表現をする姿を見逃さず認めていくようにしている。(ちなみに、私は保育士として働いている。)

何か物を作るとき、うまく作れなくて「手伝って」
洋服自分で着替えたいのに出来なくて「手伝って」
友達に「ごめんね」って言えないから「一緒に来て」
大人の「助けて」にはうまく寄り添えない自分がいるから、せめて子ども達にはひとつひとつに付き合っていきたい。

一人でやってできた経験も大切だけど、一人じゃできなかったけど、誰かと一緒ならできた。本当に困ったときは、周りを頼っていいんだ。

この経験が、彼ら彼女らの人生を支えてくれたらいいなと願って。


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