頭の中の少年少女②
包丁が切れない。
彼の家の包丁が切れないのだ。
料理するのはわたしで
ずっと訴えていたが、買ってはくれないので
自分で買うことにした。
ネットで注文して、彼の家に届けてもらうよう手配する。
届くその日、彼のキッチンにあったもの。
包丁である。
ピンクの柄の丸っこい小さめの包丁。
複雑な気持ちになった。
わたしが注文した包丁は
よく切れそうな大きめでステンレス鋼のもの。
お互いが、使う相手を思って買ったものだ。
なら、
わたしのこと好きになれば
丸く収まる話じゃないのん?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?