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追い出され…放置され…。

2番目の妹 香菜が産まれてから
やはり辛い日々が。
香菜のおむつ、ミルク、あやし
佳枝の面倒
どっちも上手くできなきゃ怒られる。


母、佳枝、香菜の三人が一緒に
お昼寝をしている時
久しぶりに遊びに行きたいなぁ…
と思った私は
小雨の中、長靴を履いて傘をさして
公園まで歩いていってみた


久しぶりの一人で歩く外は
とてもとても清々しく
楽しくて仕方なかった。


もう少しだけ。
もう少しだけ。
そう思いながら段々と大雨になり
長靴の中がびしょびしょになる事も気にせず
あちこち歩き回っていた。
小学生の帰宅時間を知らせる愛の鐘が鳴り
ハッとする…。
やばい…怒られる…
急いで帰らなければ…

急いで家へ向かうと家の前に
父の車が停まっていた。

パパ帰ってきてる…

慌てて玄関から家に入ろうとすると
開かない…。
インターホンを鳴らしてみる。

「うちの子はもうみんな家にいるので
よその子は帰ってください」

もう一度鳴らす。

「うるせぇーから鳴らすな!
妹の面倒も見れないやつは出ていけ!」

大泣きしながら謝った。
手から血が出るほど玄関を叩き
ただひたすら謝った。
泣き叫んで許しを請うた。

でも玄関先に出てきた母から
「玄関壊れるだろ!近所迷惑だ!泣くな!騒ぐな!」
と怒鳴られただけだった。

10月の末
大雨で濡れた体は冷え
長靴の中も濡れて足も冷えかじかみ
痛くなってきている。

とりあえず少しでも温かい場所と思い
外にある物置に入った。
暗い。狭い。
でも風と雨がない分
少し温かかった。
物置の中のタイヤを椅子にし
丸くなり静かに泣いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい
もう悪い事しません妹の面倒がんばります。
だから神様、どうかママが許してくれますように」
そう呟きながら泣き続けた。

気が付いたら寝ていた。
物置が開いて
その音で目が覚めた。
私を見て母と父は
「こんなとこで寝てるウケるー!」
と笑っていた。
外は真っ暗。


私は体に力が入らず立てなかった。
みっともないからちゃんと立てと怒られるも
足が痛くてつけない。
父が私の片腕だけ掴んで引きずり出し
玄関に放り入れる。
そして足の裏を見て一言。
「塹壕(ざんごう)足になってるわ。
朝になったら病院だな
足腐ってたら切るかもしれないな。」
怖くて寝れなかった。
朝が来るのが怖かった。
ドキドキしながら病院の先生に
足切らない?と聞いたのを覚えている。
「そこまでひどくないから薬で大丈夫だけど
足は濡れたら乾かすんだよー?」と優しい先生。
優しさに涙が出てくる私。
薬を出してもらいなるべく足をつかないようにと。
治るまで歩けなかった。
痛くて痛くて床に足がつけなかった。
それでも妹が望めば抱っこにおんぶ
遊びに付き合わなければいけなかった。
また外に出されないように…。

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