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幼少期〜妹が産まれるまで

全く知らない土地
今までの友達もいない
近所を散歩してみても
お家に帰れるかが心配で
遊ぶ場所もない。


つまらないなぁー…。

そんな日々を数日過ごしていた。


とある日
急に母がおばぁちゃんの家に行くよと。
大きな鞄と一緒に車に乗り込み
車で2時間ほど離れたおばぁちゃんの家へ。
おばぁちゃんはスナックのママさん
おじぃちゃんは大工さん
私はこの二人が大好き。
一緒に買い物行ってくれたり
好きな物買ってくれたり
大工道具で遊ばせてくれたり
本当に大好き。
久しぶりに会えたおばぁちゃんおじぃちゃんに
テンションが上がり
自由に遊び回った。
暗くなりおばぁちゃんの家へ戻ると
母がいない…。


「ばぁちゃん、ママは?」
「帰ったよ?あんたはしばらくばぁちゃんといるんだよ」

やったぁー!!!!


凄く喜んだのを覚えている
一人で遊ぶのはいつもと変わらない
それなら大きなハスキー犬がいて
周辺のことも分かって
夜にはおばぁちゃんのお店に行って
お店のお客さんにご飯出したりのお手伝いして
お手伝いのご褒美に好きなおやつ買ってもらって
何より毎日朝昼晩ご飯が出て
おやつが食べれて
家に帰ればいつも起きて一緒にいてくれて
自分には良い事しかなかった。

おばぁちゃんのお友達と会ったり
おばぁちゃんのお客さんと会ったり
おじぃちゃんのお仕事の邪魔したり
とても楽しい毎日だった。


1ヶ月ほど経ったある日
母が父と共に迎えに来た。
「新しいお家に引っ越して今度はあんたの部屋もあるよ」
「近所に公園もあるからお友達もできるんじゃない?」
そう言われても帰りたくなかった。


仕方なく帰ったお家は借家
ボロボロであちこち虫が出るけど
格段に広くなった家。
庭も広くなった。
歩いて5分で公園もあった。

朝から晩まで探検した。
家にお母さんがいるようになったけど
お母さんの邪魔すると怒られるから
お母さんに言われた事
上手くできないと怒られるから
話しかける勇気がなくて
家にいなかった。


そんな日々を過ごし
5歳の誕生日を迎え数日後
夜中に起こされた。
「今からママ病院いくよ」
なんでか分からなかった。
とても苦しんでる母。
病院につくと
暗い病院の待合室で
ひたすら待たされた。
父と会話することも無く
ただ無言で
暗い病院が怖くて寝れなくて
どうしたのかな…
お母さん死んじゃうのかな?
病気なのかな?
不安な気持ちだけが心を占めていた。


明け方
赤ちゃんの泣き声が聞こえ
数分後に呼ばれた。

初めての妹が産まれた。
ちっちゃくてしわしわで
可愛い…
私、お姉さんになったんだ…
妹お腹にいたんだ…

とてもホッとした

けどね
ここから始まるんだ。
実の子とそうじゃない子の違いが。

徐々に徐々に
父親が嫌いになっていく。
きっと父も私が嫌いだったんだろうな。
私はそう思っている。

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