旅のはじまり(よさよさの旅の物語 第1話)
昨日、5月12日は、新月だった。
新月、満月、新月、満月、そして新月。
今回の2回前の新月の日、3月13日に、私は旅に出た。
よさよさの旅。
実際にどこかに出かけて観光したり泊まったりする旅ではない。
3か月間のテーマをひとつ決め、そのテーマについて自分と向き合い、アウトプットし、それを仲間でシェアし合う日々のことだ。
「旅のテーマは何なのか」を見つめるところから、もう旅は始まっている。
今、自分の人生でテーマとして浮かびあがってきていること。
長年いつも心のどこかに引っかかっていること。
これまであまり目を向けてこなかったこと。
集う仲間が設定するテーマは、十人十色。
それがまた、場を豊かにする。
旅の日々は、そのテーマについてよさカードを引くのが日課。
出たカードをきっかけに、思うこと、気づいたこと、日常の中で起こったことと結びつけて感じること…を書いていく。
1週間ごとに振り返りを投稿したり、日々の気づきを深める個人セッションがあったり。月1回ほどは全員でオンラインで集まってシェア会をしたりして、旅路をゆく。
よさよさの旅は、いよいよ最終月に突入したところだ。
ここまでの2か月を振り返ってみたら、自分でも驚くほどにパワフルな変化をしてきていることに気づいた。
この変化を書き残しておきたい。
何回かに分けて、私の「よさよさの旅」について書いていく。
私のテーマは、「ビジネス」
私が今回よさよさの旅のテーマに決めたのは、「ビジネス」だった。
9年前に「あなたの良さがみえるcafe」というワークショップを始め、よさカードをつくって販売し、そこから派生する講座やオンラインコンテンツを提供し、このメソッドを企業などのチームに届ける よさがみえるラボ もつくり…
と、さまざまに活動しながらも、私にとって「ビジネス」というのは捉えどころのないものだった。ビジネスをしているという意識はあまりなく、もしあらたまって「ビジネスとは?」なんて訊かれたら、答えられる気がしなかった。
でも。「よさよさな世界」を拡げようと模索しながらも動き、何らかの価値を提供し、対価をいただくというのは、やはり「ビジネス」だ。
また、旅が始まる前の数ヶ月、私がテーマにしていたのが「お金と豊かさ」だったのだが、その中でもいくつかの気づきを得ていた。
そのひとつが、
「お金」と「ビジネス」はイコールではない。
密接に関係してはいるけれど。
だった。それまでは、お金のことを考えているのにいつの間にか「ビジネス」のことを考えていたり、ビジネスのことを考えるとき、知らず知らずのうちに「お金」が基準になっていたりしていたのだ。
「お金」と「ビジネス」が一体化していた。
でもそれは別物なのだな、と気づいた瞬間があったのだった。
もちろん密接に関係している。でも、同じものではない。
捉えどころのなかった「ビジネス」の定義が、私の中で少しずつ見え始めていた。それもあり、私は「ビジネス」をテーマにするのだ、と自然に決めた。
旅のはじめに見つけたキーワード
旅のはじまりは、3月の新月の日にzoomでひらいたオリエンテーションの場だった。
それぞれが自分のテーマが何なのか、なぜそれを選んだのかを話す。
そして、これから始まるよさよさの旅を思いながら、よさカードを引く。
まったく異なるテーマを掲げているのに、ともに行ける仲間。その存在の心強さを思う。
オリエンテーションの中で、私は
ビジネスにおいて「育む」を大事にしよう
と思った。
「3か月」と期間が決まっている旅だから、「3か月でどうにかするんだ!」「3か月で目に見える変化を起こすんだ!」と思ってもおかしくないのかもしれない。
でもこのとき、そうじゃない、と思ったのだった。
よさよさな世界を知ってもらうことも、そこから関係性を深めていくことも、すぐに実がならなくてもいい。ゆっくりゆっくりでもいい。
育んでいくのだ。
…けれど、3か月どころか、たった3週間で、目に見える変化は起こり始めた。(第2話へ続く)