LIFE SHIFT
3月に夫の実家の釧路へ引っ越すことになった。東京から北海道へUターンして6年、札幌から浦河へ移住して4年、フリーランスになって3年。
人生のなかでも一番濃厚だったんじゃないかという日々。
北海道に帰ってきてから知り合った札幌の仲間も浦河の人たちも全部が財産です。（もちろん東京も）
同じ北海道なので、これからもいただいた縁の恩返しができるように釧路でもがんばる。
※以下、長い回想録です。暗いです。
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3年前に思いきって会社を辞めてフリーランスになった。
周りの活躍している尊敬するデザイナーさんたちの姿も私を後押しした。
3年経ったいま、ありがたいことに、私にも活躍しているね！と言ってくれる人がいる。
だけど常に疑問が頭をもたげる。
デザインスキルというより、ここにいてこの場所のことをわかっているから話が早い、便利ということで仕事をいただいているだけ。
そもそもこれでいいのか常に不安がある。
実際フリーランスで仕事を初めてみたら、わからないことだらけ。
みんな価格はどう決めてる？相場は？（たぶん都会と地域では違う）営業活動どうやってる？仕事が手一杯のとき誰かにふってる？情報のキャッチアップどうしてる？官民の割合どのぐらいでやってる？撮影はどうしてる？ライティングは？コピーは？わからないからとにかく試行錯誤しつつやる。
みんなどうしてるの？といつも聞きたかったし、都会ではない場所でデザインの仕事やっているどこかの誰かとただただ「だよね〜」ってSkypeで言いながら共感しあいたかった。
そもそも20歳で就職してグラフィックをやるつもりが、最初にお世話になった会社がインターネットの会社でそれ以来ほぼずっとウェブのことをやってきて、紙のことがぜんぜんわからない、印刷がわからない、勝手がわからない…！私のDTPの知識は2000年ごろのQuarkXPressあたりで止まっている、化石レベルだ。
でもできません、わからないとは絶対に言えない。そんなこと構わずいろんな依頼がくる（ありがたい）。パンフレット、グッズ製作、看板、リトルプレス…仕事をうけてから勉強する日々。実はロゴの仕事すらお金をいただいてはまともにやったことがなかった気がする。（実際やってみたらすごく楽しくて好きな仕事のうちのひとつになった）
一方、ずっとやってきたはずのウェブのこともキャッチアップが中途半端になり、その時間があったら印刷の勉強をしたい、いやそれでいいのか…？これも常にジレンマだった。
そんなこんなで、そんなんでいいのか？アウトプットはこれでいいのか？と疑問だらけの日々。でもお客さんはダメ出しはしてくれない。ダメなら次はもう発注されないだけ。次の仕事の依頼だけが自分の評価。厳しいけどシンプルなルール。
なにか落ち込むことがあっても引きずっていては次の仕事に支障が出るから気持ちを切り替えてやる。でも自分のなかの高倉健がときどき心のなかでつぶやく「自分…不器用ですから…」不器用なのでたくさんの仕事を効率よく進めることができない。独立して一人で仕事をするようになってから、自分の小さいキャパを思い知らされてこれもまた堪えた。もっと器用だったら…と100万回思った。
働き方や場所柄もあってありがたいことにインタビューしたいという依頼や講演依頼をいただくことも何度かあったけどほぼすべてお断りしてしまった。
常にこのやり方でいいのか？と自問自答して、自分のなかで整理もできていないのに、人に向かって話すなんてできない。自信もない。どうせ話すなら（その人の時間を奪うのだから）聞いている人に何かを感じたり得たりしてもらいたい、でも何をどう伝えればいいのか今の自分にはわからない。むしろ私が聞きたい、教えてもらいたい。どうすればいいの？今思うとその試行錯誤こそ共有することに意義があったかもしれない。
スマホの連絡帳一覧を眺めながら誰かと話したい、誰かに話して楽になりたいと何度も思っては思いとどまる夜。
今までだったら同僚や先輩に泣き言いっては叱咤激励されたり呆れられたり怒られたり、あぁそれは本当にありがたいことだったんだ…誰かに助言されたい、さもしい悩みだと笑われたい。
そんなこんなが3年分つもりに積もって思考がキャパオーバーし、昨年末あたりについにダークサイドに落ちそうになった。打ち合わせの帰り、公園のブランコに腰掛かけてぼんやりしていたら涙があふれてきた。やばい…このままではまた闇に落ちてしまう、今まで何度か落ちて地獄みたいに苦しかったあの闇だ…いつも人に迷惑かけまいとギリギリまでがんばった結果、決定的にダメになって余計迷惑かけて、ただでさえ自己嫌悪なところに迷惑かけたことで自己嫌悪が無限増殖するあの闇だ…それだけは絶対に避けたい…それだけは絶対…に…消えたい…自分という存在を消したい…なかったことにしたい…そしたら迷惑かけない…………。
だから12月は申し訳ないけど仕事を休ませてもらった。おかげで年明けから完全復活して今に至る。
フリーランスには有給も休職制度もない。心身の健康が生命線だと痛感する。自分のペースで休めるんだから、適度に休まなきゃ。人生100年時代、あと60年働くと考えたらここでダメになってる場合じゃない。考えすぎないようにしたいけどこれが自分にとっての通常回路だからどうすることもできない。適度にガス抜きしながらやるしかない…。ガス抜きってなんだろう…私にとってのガス抜き…温泉…ドライブ…猫を抱きしめる…美味しいごはん…書くこと…。そうだ、私は書くことで自分の思考を整理してきたんだった。20歳のときからずっとブログを書いてきたじゃないか。このまちに来てから書かなくなってしまったんだった。
…というわけで今年は新天地に移動してまた営業活動をがんばって、適度に休んで仕事も楽しんで、書くことを復活させようと思ったのでした。なので久しぶりに書いてみたらすごく長くなってしまった…。想いがこれだけ溜まっていたんだなぁ。（怖）
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