フィンランドのフォークメタルバンド「コルピクラーニ」を聴いていたらフィンランド語の単語がビミョーに分かるようになっていた
私は数年前からフィンランドのTech/ゲーム系の話題を追っていて、過去に3回渡芬したこともあるのですが(うち2回はスタートアップフェスティバル「Slush」の取材)、現地でふと気付いたことがあります。それは
あれ?もしかして私フィンランド語の単語ちょっと分かるんじゃね?
ということです。別に語学教室でフィンランド語を習ってもいないし、それどころか特別覚えようもしていないのに。フィンランド人の友達もいますが、日本に住んでいる人、また住んだことのある人はだいたい日本語ペラペラだし、そもそもフィンランド人は最終学歴が高卒の人さえデフォルトで英語ができるくらい超!語学能力の高い人達なので、何気に渡芬後もフィンランド語を話すフィンランド人と交流する機会はありません。なのになぜ街中やお店で目にするフィンランド語の単語がなんとなく分かるのか?滞在中その理由を考えていたのですが、移動時に駅で「Rautatieasema」という単語を観た瞬間に気付きました。
コルピクラーニのせいだ
と。
「コルピクラーニ(Korpiklaani)」とは、スカンジナビア北部の先住民族サーミ人の民族音楽や民話をヘヴィメタルに取り入れたフォークメタルバンドで、2005年より日本市場に進出し、過去に3回来日公演を行っています。
(写真は彼らのFacebookページより拝借)
実は私がフィンランドのTech/ゲーム系の話題を追うようになったきっかけも彼らなのですが、それについては既に私が運営するブログメディア「vsmedia」に書いているのでそちらをご覧下さい。
【コラム】コルピクラーニの傑作MV「酒場で格闘ドンジャラホイ」のおかげでフィンランドのIT事情に詳しくなれた話
前述のようにフィンランド人はデフォルトで英語ができることから、彼らも初期の頃は英語のタイトルに英語の歌詞で楽曲を制作・発表していました。しかしデビューから時が経つにつれて徐々に作風がより民族的・民俗的な方向へと変化していき、それに伴い楽曲で使用する言語も母国語であるフィンランド語に統一されていきました。ところが、以前からチェックしているこっちとしては既に英語タイトル/歌詞だった頃から楽曲の意味や内容を把握しているわけです。そうなるとフィンランド語に切り替わった後もそれらを知りたい!何について歌っているのか理解したい!と思うもの。そこでYoutubeでPVが発表されたらまずはGoogle翻訳でタイトルの意味を和訳し、CDがリリースされたらオリジナルのフィンランド語の歌詞とブックレット内の和訳歌詞とを見比べる…といったことをしていたのですが、おそらくそんなことを繰り返しているうちに無意識にいくつかの単語を覚えてしまったのでしょう。ちなみに前述の「Rautatieasema」の意味は「Rauta=鉄/鋼」「Tie=道」「Asema=駅」で「鉄道駅」です。最初の「Rauta」の意味はこの曲で覚えました↓
もう最高・オブ・最高ですね。コルピクラーニは時々ヴォーカルだけ英語に差し替えた”英語版”も発表するので、それがあるとより簡単に言葉の意味や歌詞の内容を理解することができます。
両方聴いた後だとコーラス部分の「Iske!(イスケ!)」の意味が「Strike!」だと一発で覚えられます。
これなんかわざわざ歌詞を表示してくれる”リリックビデオ”なもんだから一層理解がはかどります。もはや覚えない方が損ってもんです。
英語版↓
こうしてコルピクラーニのせいでフィンランド語の単語がビミョーに分かるようになっていたことに気付いたことで、日本語が堪能なオタク外国人のことを少し理解できたような気がしました。以前は「いくらオタクで漫画を読みアニメを見ていたとしても、果たしてそれだけで日本語を覚えられるもんだろうか?」と疑問に思っていましたが、人間は興味のあること、好きなことを掘り進めているうちに自然と新たな知識を身に着けられるもんなんですよね。
で、英語が普通に通じるフィンランドに於いて、わざわざフィンランド語を覚えたところで何か得することがあるのか?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。確かにフィンランドではサービスを受けるにせよ現地の人とコミュニケーションするにせよ英語だけで余裕でどうにかなります。でも、ほんの少しだけでもフィンランド語の単語が分かれば、それだけで滞在中の”安心度”が増して快適に過ごせるようになるし、何より自分の世界が一気に広がります。「~Katu」が「~通り」だと知っていればGoogle Mapsを見やすくなるし、「Kahvi」が「コーヒー」だと知っていればカフェも探しやすくなるし、「Iso」が「大」、「Pikku」が「小」だと知っていればドリンクをオーダーする時にまごつかずに済むし、「Hissi」が「エレベーター」だと知っていれば大型店舗・施設で速やかに移動できるし、「Peli」がゲームだと知っていれば本屋でゲーム雑誌・書籍をすぐに探せるし、「Rajaton」が「無制限」だと知っていればコンビニでSIMカードを買った時に「一週間まるまる無制限に4G通信できるSIMカードが日本円換算で1000円未満か」と一層お得感を実感できるし、「Puisto」が「公園」だと知っていればポケモンGOの”ポケモンの巣”やIngressの”ファーム”も探せます。海外で快適に過ごし、さらにその国の情報を少しでも多く取ってきて学びを得んとするなら、やはりその国固有の言語は覚えておいた方がいいんじゃないでしょうか。
それにしても、コルピクラーニのおかげでフィンランドのIT事情を知ることができて、おまけに少しではあるもののフィンランド語の単語も覚えることができた私はもうコルピクラーニに足を向けて寝られません。
【結論】
日本のTech/ゲーム系クラスタはもっとヘヴィメタルを聴け!特に何かしらフィンランドに関わっている人はコルピクラーニを聴け!
彼らの三回目の来日公演は昨年9月の東京ゲームショウ2017直前だったのですが、もう「これまでの生涯で見たライブのTOP10を挙げろ」と言われたら確実にランクインする素晴らしいライブでした。一曲目がこれで即会場全体がブチ上がりましたね。
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