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「ちょっと」は「ちょっと」じゃないからさ

夫は何でも簡単に人に頼みごとをします。
IT企業に勤める子供に「ちょっとPC環境整えといてよ」
自動車整備士の子供に「ちょっとタイヤ履き替えといてよ」
SEの子供に「ちょっとホームページ作ってよ」
イラストレーターの子供に「ちょっとデザイン作ってよ」
そして私に「俺の代わりにちょっとTwitter呟いてよ」「ちょっと似顔絵書いてよ」「ちょっとメシ作ってよ」「ちょっとクリーニング出してよ」

考えるわけでもなく、調べるわけでもなく、お願いするでもなく。
「ちょっと」の頼みごと。言った当人には「ちょっと」のことなんですが、頼まれた方には「ちょっと」ではありません。
PCの環境に手を抜いて、ウイルスでも入ったら大問題です。社内機密や顧客情報満載のPCを「ちょっと」の片手間に出来ません。
タイヤ交換を「ちょっと」した合間にやって、高速で万一緩んだらたにんさまを巻き込む大事故になり兼ねません。
ホームページやデザインを「ちょっと」では作れないし、どんなことでも「ちょっと」では無いんです。子供たちの仕事にはそれぞれに責任とプライドを持っているのですから、皆引き受けるからには「ちゃんとやらないと」と思っています。だから「ちゃんとできない」と判断したときは、きっぱりと断ります。断ると夫は「じゃ、金払ってやるからさ」と言います。
お金の問題では無いんです。と、いうか、そもそも正当な対価を支払うつもりもなく頼みごとをしていたということが、この時点で判明します。夫は「家族なんだからちょっとくらいたすけてよ」と、言います。そして最後に、「ここまで育ててやったんだからさ」と。

いや待て、夫よ。あなたはずっと家に居なかったではないですか。それどころか、私たちの生計だって私の収入と私の実家からの支援。夫から一円さえも貰ったことはない。

私たちは、夫を当てにはしていない。
夫よ、「ちょっと」の事と思うなら自分の努力で解決をしなさい。今の時代、対価を払えば大抵のことは解決するから。
「ちょっと」のことを頼むより、「ちょっと」の優しさを持って、子供たちと接してください。子供たちと言っても、もう皆成人してますから、あなたからの優しさを求めているかわからないけど。

#ダメな夫

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