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不妊治療の現実~案外だいじょうぶ編

 36歳のおわりから約4年間、専門クリニックに通って不妊治療を行っていました。
 いわゆる2人目不妊というヤツで、最初の2ヶ月くらいタイミング療法を行い、人工授精はパスして体外受精を繰り返す、というガチなコースです。

 今思うと、やっぱりつらい時期でした。少なくとも、知り合いに「やってみなよ♪」と気軽に勧めることはできないな、という性質のものです。

 しかし、思い切って飛び込んだ不妊治療ワールドは、恐れていたほど大変じゃなかったな~と思ったことが何点かあったのも事実です。
 
 不妊治療を前向きにがんばってみようかなという方へ、ご参考になれば。


☆得るモノはあっても、失うモノはない

 治療を始めた初期によく感じていたのは、「不妊治療できるなんて、今、ワタシは幸せだな」ということ。

 というのも、20代後半のワタシはそれなりにしんどい出来事にドンドコ見舞われており、心身ともに落ち込んでいました。仕事も結婚もほぼあきらめていたので、そのときに比べたら全然ヘイキだよ、と。

 まず第一に、結婚しているじゃないか。

 しかも、同じ目的(この場合は2人目子育て)に向かって、夫くんと仲良く暮らしている。

 さらに、治療費を捻出できるくらいの仕事にも恵まれている。
 もう、現状だけでじゅうぶんに幸せじゃないですか。

 不妊治療をはじめて、授かったらもちろんハッピー。
 たとえそうじゃなくても、今の幸せが損なわれるワケじゃないんだから、いずれにせよハッピー。
 得るモノはあっても、失うモノはないはず。
 不妊治療ってあくまで足し算でしょ?ということです。


☆夫くんは、ほぼ負担ゼロ

 体外受精にステップアップするにあたり、主治医さんに「夫くんと、相談して決めます。夫くんの側はどういった負担を想定しておけばいいですか?」と聞いたときのこと。

 主治医さんの回答は、「負担?・・・ないよ、夫さんの側は」。

 え? ないの? そんなことないでしょ・・・と、思ったのですが。

 結論からいうと、ほぼありませんでした。
 
 もちろんクリニックの方針や夫婦の状況などなどによるので、あくまで我が家の場合は、ということですが、治療をする上で夫くんの来院は一度も必要ありませんでした。
 なので、夫くんは仕事にも生活にも影響なし。
 「負担、ないよ」という主治医さんのざっくりした意見は、本当でした。

 もちろん、不妊治療は夫婦の意見を一致して進めるべきだとは思いますが、「大変だけどがんばろう」という覚悟は、妻の側さえキッチリ決まっていれば大丈夫。

 夫くんは「賛成してるよ」程度でどうにかなるモノです。
 

☆痛み・副作用は大したことない

 これも、治療法や本人の体調によって大きく違うところだと思いますが、治療の肉体的苦痛は、そんなに大変ではありませんでした。

 ホルモン剤を使用するので副作用がしんどいんだろうな、と覚悟をしていたのですが、個人的にはクスリの影響を感じることは、ほぼありませんでした。

 診察のたびに女性ホルモンの値を測るクリニックだったので、毎回採血があり、そこはたしかに大変です。
 でも、体外受精をするに当たって採卵やら移植やらをするときに「痛いですか?」と看護師さんに聞いたところ、「採血よりは痛くないですね」とのこと。

 え? その程度?

 これも結論から言うと、「その程度」でした。
 なんだか拍子抜けしたのを覚えています。

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 「不妊治療って大変だろうな」と想定していたことの多くは、さほどではなかった、というお話でした。

 逆に言うと、想定していなかった心理面がハードだったなあ、とは思うのですが。その話は、また別で。

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