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泊まるお金なんてハナからないけどオクトーバーフェスに行きたくてミュンヘンに行っちゃった話。

【前回まで】
6月から一人旅で思いつくままに山川海やら砂漠まで、国を移動している柴田。
たまたまタイミングのあった知り合いと合流した北イタリアでは贅沢な日々を過ごさせてもらい、ヴェネチアやフィレンツェやベローナへの日帰り旅行も満喫した。
そして翌日から再び一人になるタイミングで気づいてしまった「ちょうどオクトーバーフェスの時期!」
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シルミオーネから立ち去る朝、私は南イタリアに戻るでもZagrebにいったん帰るでもなく、結局まだアンさんの車に乗っていた。

シルミオーネがミラノとヴェネチアの間あたりの場所なのはすでに書いたけど、もっと地図を広げて見ると真上がドイツだし、かなり近いところにミュンヘンがある。

しかもこの、シルミオーネを離れて知り合いのアンさんが日本に戻る日は9月の28日だった。この時期といえば、、、あれ??
と気になって調べるとやはり!
ミュンヘンではオクトーバーフェス🍻の真っ最中。

言わずと知れた有名なお祭りで、日本でもよくそれの真似?したオクトーバーフェスでドイツビールを売ってるのを見たことがあるでしょう。

毎日欠かさずビールを飲んでいるビール党の私も勿論知ってはいて、前から本場に行きたかったのに今までタイミングが合わずにまだ参加できてないお祭りだった。
四年くらい連続で映画祭のためハンブルグに行っていたから北の方のドイツもだいぶいろんな街をまわったけど、ドイツでもそのあたりからミュンヘンに移動するのは、この北イタリアからミュンヘンに移動するよりも遠い。

これはこのタイミングで行くしかないなとバスか格安フライトを見ていると、
アンさんが北イタリアまで来ていたレンタカー、借りたのがまさかのミュンヘンだと言ってきた!!
ミュンヘンに車を返してからパリに行き、そこで飛行機を乗り換えて日本に帰るんだそう。

ミュンヘンまでの車にも同乗させてもらえればフェスの会場付近の駅まで無料で移動できる…
怖いくらいに、私をオクトーバーフェスに行かせるレールが敷かれていた。

が、どの国でも観光シーズンや人気の観光地は物価が爆上がりしているように、ミュンヘンもこの時期はこの祭りのためにたくさんの人が集まるのでとてもホテルなんて取れないよと言われた。

エアビー(民泊)とかでなら安いのも案外あったりして、と一応見てみたけど、
たしかに、出てるところは普段なら2千円もしなさそうな宿が全て一泊一万円越え。

そもそもドミトリーでも値切ったりカウチサーフィンでまわるしかない状況の長期間トラベラーにとっては考えるまでもなく、ホテルは無理だと早々にあきらめた。

そしていつものようにカウチサーフィンでダメ元で泊めてくれる家がないかを当日の朝からいくつかリクエストを送りながら、
でも祭りだからどうにでもなるでしょ、と移動中の車で余裕こいて寝ていた。

祭りならば人が多いし、皆ゴキゲンだし、仲良くなるし、なんなら日本人の駐在員にも会いそうだし、テーブルに立って踊りながら誰か泊めてくれる人ー!と聞いてまわれば、安全な人を選べるくらいに何人もオッケーしてくれそうな気がした。

「誰か仲良くなれそうな人に出会う」のステップはもう越えたも同然なので普段の旅での宿泊先探しよりも余裕だったけど、難点としては、最悪見つからなかった場合に普段ならどこか最安な宿を見つけて泊まるという最終手段をとれるけど、
ミュンヘンだと無い(隣の隣町くらいに範囲を広げてもまだまだ高かった)から必ず誰か見つけるしかない、という点。

見つからなかった場合は朝まで飲み続けるか駅かマックとかで朝を待って、始発でかなり遠く…なんなら違う国まで移動して泊まることになるぞ、という覚悟で行かなきゃならなかった。
お金を持たなくても必ず体力を持っていく必要がある。眠るしか無い。ぐう。

車はイタリアを抜け、オーストリアを通り、ドイツに入る。

山を越え、村を越え…

ポークカツレツみたいなオーストリア名物を途中のインターで食べたりしながら。

体力を保ち、ミュンヘンにたどり着いた車から「いざ!」と外に出た瞬間に全てがイヤになるほど寒かった。ミュンヘン、寒すぎる…!

イタリアの屋台でうっかり見つけた10ユーロの上着を着て重たいブーツを履き、ここまで乗せてくれて1週間ほんとによく飲み食いさせてくれたアンさんにお別れして

久しぶりにドイツの駅に入った。

するとご覧の通り、電車の地図を見るまでもなく、絶対にオクトーバーフェスに行く人たちがゾロゾロと歩いていたので、
このハーフパンツに靴下族と同じ電車に乗り同じ方へ歩くだけでよかった。


そして小雨のぱらつく中、
ついに念願のオクトーバーフェスに来た!

おげーーーー  たのしい!笑

遊園地じゃん!!


こんなところでやってること自体、知らなかった。どこかの大きいビールパブできなところで屋台テントをばーっと出してやってるんだろうくらいに思っていて、荷物検査の後いきなり遊園地が現れたからほんとに変な声が出た!

南イタリアから共にまわっている大きめの荷物があって、宿泊先を決めてないとなると先に荷物を預けに行くことも出来ないからどうしようかなぁと思ってロッカーのことだけは調べたんだけど、
受付で大きい荷物はどうせ預けさせられる(有料で)と書いていたから、それは助かる!とそのまま現地に行き、その通り、受付で荷物を預かってもらえて、たしか7€だった。
私が読んだのでは4€だったけど。荷物が大きすぎるからなのか、これも値上がりしたのか。

その先やテントでも持ち込む小さな荷物の検査があるけど、そこでガラスの容器や飲み物とかは没収されるみたい。 

でも私はギリアウトっぽい容器のヘアオイルとか、大きいペットボトルの水も入れてたけど、
チェックのスタッフが「これなに?」と聞くから「ヘアオイル💖」と言うと「きみはセレブだからしょーがないか」みたいなジョーク?で許してくれて、
水も、「ここで捨てて行かなきゃなんだ」と言われたから「ねぇ、ただのお水だよ。ビールだけ飲んでたら二日酔いになっちゃう」と言ったら「たしかにただのお水。オッケーオッケー」と目立たないように早く行けってかんじで笑いながら返して通してくれた。

これですでにお祭りの、固いこと言わずに楽しもうぜ感が始まってるかんじがして、荷物もなくなって身軽だし目の前は遊園地だしでお祭り気分が
あがってきましたーーーーー🥳✨

到着した頃にちょうどカウチサーファーからのハングアウトのお誘いがいろいろ入ってて、まずはこのテントにテーブルをゲットして飲んでるよと言っているイタリアの若者グループに混ぜてもらうことに。

見ての通り、すでに一人つぶれてる。笑

このフェスはあとで思ったけどいろんな酔っ払いを見るのも楽しい!
酔っ払ってる人には絶対出来なそうなアクティビティもそこらじゅうに用意されてるし、明らかな千鳥足で歩いてる人たちもいて何度か笑い転げた。

会場はもう人でパンパンで、その大きさとコスプレみたいな皆の格好と音楽に、わくわくする。

あー きちゃったーーー\(^o^)/

沖縄の観光居酒屋でよく流れるおじい自慢のオリオンビール♪みたいなののドイツバージョンがあって
沖縄でいうアーリカーンパーイ!的なフレーズがしょっちゅう流れる。
つまり誰でも、隣のあなた、そこのあなた、皆でさぁ乾杯!みたいなかんじになるわけ。

そうゆう歌詞なのかは知らないけど、なんせそのフレーズが流れたら皆立ち上がってそのへんの人と乾杯して皆でニコニコ、こりゃ平和。

そしてビールがバカ美味い。あー好きなの。このビール。ドイツの生ビールやっぱり美味しい。するするいける。ほんのり甘くて。そしてハンドルジョッキの大きいやつ。指入れて飲んでると内出血しそうなほど重い!見た目がもう美味しい!

私、ビールは別に大ジョッキじゃなくても良いんだけど、とにかくジョッキで飲みたい派。
中身が同じビールだとしてもグラスだと美味しさが半減して飲む欲が激落ちするの。これわかる人結構いるものでしょうか?
ビール大好きなのに、グラスで出てくる店だとがっかりしてしまう。
太めの背の低いやつでもいいから、とにかくゴツいかんじの、ザ!酒場!みたいな、居酒屋!みたいなジョッキで出てきてくれるとそれだけで美味しい🤤

まずはじめのその一杯だけは、12€と高かったけど自分で買って飲んだ。そしてそれが無くなりかける頃に一旦イタリアの若者たちと離れていろんなテーブルを徘徊する。
そしたら陽気なおっさんたちにつかまって一杯げっと。もう予想通りの祭りの流れになってきた。ここからお財布を開くことはない、、はず!

お祭りでは普段よりアルコール度数を高くしてある、とか謎な噂も飛び交っていて、ほんとか嘘かわからないけどたしかにビールなのに酔う気がする。普段6%程度のビールであれば水のように飲んでも他のを混ぜない限り酔っ払うことはほぼないけど、2杯のみ終わる頃にはわりとへべれけだった。まあやたらと大きいから普通のジョッキの5杯分くらいはありそうだけど。

撮ってた写真が無茶苦茶だもん↓

どう見ても酔っ払いが撮っている。


三杯目はその横のテーブルのドイツ人の若きお医者様から。そこで色々話していたら次の小さめのテントにも移動することになってそこで歌いながらもう一杯、ついでにカクテルもいただく。オクトーバーフェスにカクテルもあったんかい!

そしてほんとならそろそろ家主を探す流れだけど、そのお医者さん、リッチなもんで、「彼女と住んでるから家には泊めてあげれないけど…」と
100€渡してくれた!!

100€なら普通にエアビーで泊まれる家がいくつか出てたからその場で予約して1日目の宿げっと。

これは思っていた以上にラッキーな展開だった。ありがたすぎる。人ん家のソファでいいから寝れればいいやと思っていたのが、普通に個室を取れちゃった。飲んだ後にぐっすり眠りに帰れるのが嬉しくてその日はそのままテントハシゴで深夜まで美味しいビールを飲んだ。


翌日はチェックアウトのあとまだ二日酔いで眠たくてとりあえずマックでコーラ飲みながらぐだぐだして、
昨日散々満喫したから昼だけもういっちょ祭りに戻ったら夜のバスで遠くに移動しても良いな〜、
でも誰かに出会って宿ができたらもう一晩ビール祭りしちゃうかもな〜、
とか考えつつカウチサーフィンでテキトーに返事を返していたら、

仕事のミーティングで来て5日連続クライアントにフェスで飲ませてもらってるというテクノロジー、ARとかの仕事をしている人が、どうせクライアントにとってもらってて自分もお金を払ってないホテルだし広いから使っていいよと言ってきた。送ってくれた写真はホテルの部屋で、その人が使ってる大きいベットの他に部屋にはふたつも2段ベットが入っていて、いまのところその部屋を一人で使っているらしい!

その2段ベッドのどれかをシェアさせてもらうことになり、早速まず荷物を置きに行った。フェスの会場にも行く前に2日目の宿、ゲット。これで2日目も心置きなくビールを堪能することになった。

しかもその日は、そのクライアントたちの大きなカンパニーでジャックしてるテーブルエリアに入れてもらって、なぜか私までクライアントのボスのお金で好きに飲ませてもらえるという٩( ᐛ )و

そのスタートまでの間、テクノロジーな彼(なにそれ)はBMWの展示場みたいな場所でミーティングが入っているといい、私もそこに一緒に行ってミーティング中はその展示を見たりして遊んでおくことに。

自分じゃ絶対来ようと思わない場所だからなんか面白かった。

こんな場所に来たら、若かりし頃にモーターショーのステージでタッチパネルを操作しながら小芝居したりパンチラ対策しながらカメコ(カメラ小僧)と交流していたのを思いだす。
モーターショーのときは私がステージモデルをしたのはパナソニックだったけど、17歳くらいだったし生意気だったから担当の人と喧嘩してめちゃくちゃ罵倒した記憶がある。笑  

他の女の子が倒れるほど疲れていたのに勤務環境を見直さなかったし彼女はそれを言えない性格だったから黙っていられなくて、代わりに言いに行ったら対応が雑だったから「なんじゃその態度は!」ってキレたようなかんじだったと思う。。

そのあとその時の社長さんにもそのことを話して、社長さんが私の意見を受け入れてくれる形で丸く収まり、全ステージが終わる頃にはなんか皆仲直りした空気だったけど。。
さすが社長、器が大きいよね。

ミーティングを待ってる間に外に出てたワゴンのホットドッグを食べて、いよいよ2日目のフェス!

ボスの息子がディズニーの王子様みたいでこの写真の30倍美しかった!

テーブルでいろんな人に紹介してもらったし「テーブル全員の分を支払わされている!」と豪快に笑っていたボスにも会えたけど皆フレンドリーで親切で、良い会社なんでしょう頭も良さそうで会話が面白かった。

みんな椅子の上に立って、踊って、話して、飲む。社長でもホームレスでも関係ない。祭り、いいよね。

そこでもたまにテーブルを出て他の発見もないかとビール片手にウロチョロしていたら、小さな可愛い女の子たちを発見!やっぱり日本人だ!

ドイツに留学してきたばっかりで、もちろん初めてオクトーバーフェスにも初めて来たらしく早速酔っ払いの若い男にめちゃくちゃ絡まれていた。モテるな〜Japanese girlは。たしかにこう外から見てると、目立つし可愛い!その子たちが特別に可愛かったのかもしれないけど。
その子たちもフレンドリーで、いきなり絡んだ酔っ払いおばさん柴田についてきてボス達のテーブルエリアでも一緒にイスに立ち上がって飲んだりしてくれた。

しばらくドイツで暮らすことになるからいつでも泊まりに来てくださいとか言ってくれてたから私はそのうち本当に行っちゃうと思う☺️
社交辞令のわからないおばさん。

2日目もそんなこんなですっかりベロベロになり、いつのまにかめっちゃお肉と玉ねぎを挟んだ美味しいのとかソーセージとか色々食べてしまってた!

そしてクイーンが通っていたとかいう(知らんけど)バー?クラブ?にも連れて行ってもらってから帰って2段べっとの下でグースカピースカ眠らせてもらった。


朝7時にもう家主がチェックアウトするからと起こされて私も出されると、安定の二日酔いとあまりの眠さに「もうええわ!キリないわ!やってられるか!💖」ともう大満足満腹ですの気持ちになってオクトーバーフェスを2日間で終了とし、

そこから、とりあえず眠りたいからとゆう理由と
とりあえず物価安そうな次の場所に移動するという
2つの目的で、あえて長距離バスをとった。
こうゆうときバスの移動は仮眠スペースとしても機能するのです。


結果、
予想していたとおり大丈夫だった、ということにはなるけど、本当にいろんな出会いがあって、皆の笑顔があって、親切で2日も丸々楽しめて、暖かい眠る場所があって、ビールが美味しくて。。
最高でした!ありがとう!!!!!


こんなクレイジーな、たくさんの人に会いすぎて飲みすぎてはしゃぎすぎたあとには人里離れた自然のどこかが良いだろう、と思って次の宿を川のすぐそばのログハウスみたいな家にした。そこなら料金も一日1900円くらい。

そこまでは長距離バスの後も3時間くらい普通のバスを乗り継いで行く必要があるみたいで本当に山というか村というか田舎なところっぽかったけど、頑張って辿り着こう。

たどり着くことさえできたら、あとはなにも考えずにそこで満足するまで癒して整えるんだ🌲


ミュンヘンをあとにして、
向かう先は…

スロベニア!

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旅人Chihiro Shibata
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