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北イタリアのワイン天国

ちょっと旅の冒険談は進まないけどイタリアのワインの体験を書く☺️

フランスの高級ワインが素晴らしい!と頑固になってる人はイタリアにそれほど優れたワインがあると思っていないかもしれない。
とこの1週間連れ回してくれたアンさんは言った。

でも北イタリアにて毎日1、2本はワインをあけるこの1週間はまさに幸せワイン天国だった。

またこれまでの中継を読んでいない人に向けて説明すると、
私は6月から一人旅を再開して気ままにカウチサーフィンしているんだけど、北イタリアに半分住んでる日本人の知り合いが南イタリアに入る予定の私に連絡をくれたため、私は良きタイミングでピサ空港に飛んで1週間そこに合流させてもらうことにしたのです\(^o^)/


massaに滞在しはじめてすぐ、
秘密の扉をあけたような、魔法にかかったような素敵なワイナリーでありレストランに行くことができた。

外からはなにもない山奥にぽつんとあるため、暖かい光が灯る静かな佇まいなんだけど
扉をあけると ふわぁぁあっと 違う時代に入ったかのように地元のご夫婦や大きなファミリーでわいわい賑わっている。
そんな魔法の家みたいなここを私は勿論すぐに好きになった。

連れてきてくれたアンさんはここに大事な友人をよく連れてくるらしく、毎回「こんなところが本当に道なんですか?」「レストランなんて本当に、この先にあるんですか」と疑われるらしい。
たしかに道なき道を進んできたけど普段からやばい道を歩いたり、むしろ何度か遭難しかけた私にとっては全然ふつうの田舎道だった。

もっとありえない獣道のようなところを進んで宿を見つけたことも、暗闇の中目を凝らして帰り道を探していたら野生の猪やエミューに遭遇して肝を冷やしたこともある。

それでもたしかに誰もおしえてくれなければこんなところにどれだけ美味しいワインと料理があっても偶然見つけられる確率は相当低いだろう。それこそ何かに導かれた人しか辿り着かないと思う。

アンさんが最初にきた頃はGoogleマップなんてなくて、手描きの地図を書いてもらって向かったけどついに辿り着けずに、二度目の同地域訪問の時にやっと見つけられた場所らしい。
今では慣れたものでカーナビもなくても道を覚えているみたいだった。

そこは家族経営のワイナリーで、ワインが美味しいのは勿論、そこのお父さんがつくるピザも絶品で、料理もどれも最高らしい。仕事が丁寧な方なんだろうなとすでに気持ちよくなってテーブルについた。

そして初日に頼んだメニューはこちら↓

ワインは勿論そこの品。CIMAの、赤ワイン。
黒胡椒がポリポリ美味しい牛肉のステーキ
ムール貝の中にお米とかがスパイスと入ってる優しくも奥深い、ワインのつまみにぴったり
つるつるもちもちのニョッキに手長海老の香りがしっかり入った手長海老クリームソースのニョッキ
まさに旬のポルチーニ茸のパスタ

最初に「旬のフンギがたくさんとれたからフライでもパスタでも出せるけどなにかで食べたい?」的なオススメをしてもらったと思うんだけど、
彼女はフンギ(キノコ)と言われただけで、ポルチーニとは言ってなかったから、パスタがきたときにポルチーニだと言ったのはアンさんだけど、正直私は「ポルチーニ???」と思った。

香りも見た目も日本のイタリアンで私が知ってるポルチーニとは違ったからだ。私が知ってるポルチーニ茸のクリームパスタとは違う、でもキノコの味たっぷりの美味しいパスタだった。実際に日本で輸入してるのと違う種類のキノコなんじゃないかな。

ニョッキは聞いていたとおりとても舌触りがよくて、こちらも普段食べるニョッキとは良い意味で違った。サイズもいいのかもしれない。 
ニョッキは皆さん知ってる通りお芋なので、日本でたまに食べるときは少しもっさり、ねちょねちょなのにパサパサしているかんじのが多くてそんなに好きではなかったんだけど
ここのは、つるんと茹でられていた。そしてソースがまたほんとに海老の旨味たっぷりで美味しかった。

赤ワインはというと普段しっかりと重い赤が好みの私はこのフードメニューに赤って、、

「????」

だったんだけど

飲んでみると、あ、シーフードでもいける。と納得した。
赤のしっかりしたものはベタにビーフステーキなんかによく合うけど、少しくせのあるコが豚肉や柑橘系、スパイス系によく合っていたのも過去に飲んだことがある、けど、これは幅広い!

甘いんだけどクリアで、上品だけど華やかというか、赤で甘いのに少しもしつこくない。もちろん酸っぱくもない。
感覚的には水のようにいくらでもするすると飲めるドイツビールを飲む時に似ている。つまり辛口派の私でも、大好き。

一本を飲み切るまでにどんどんしっかりさと広がりがあって、全ての変化を楽しめるように私たちはゆっくりゆっくり、一本をあけた。美味しいワインの変化はほんとに楽しい!

もう、すでにここの雰囲気の虜だったけどこのワインを飲み切るころにはこのワイナリーのワイン全てをテイスティングしてみたいなぁと思っていた。
少なくとも白も気になるから、アンさんおすすめの白も飲みたい!と翌日も連チャンで行った。

そして翌日はおじちゃんのピザも。

楽しみにしていた白ワイン
フンギ(キノコ)のフライ
牛肉たるたる。生肉好きにははずせない。うっすらガーリックやこのままでしっかり味がついていた。
黒トリュフ最高うれしい、、 
ぱりっと薄めの耳までいける系ピザ
ふわとろティラミス
イタリアでは旦那さんや彼氏がティラミスを作ることも多いんだとか。
大満足

旬のフンギを前日はパスタでいただいたのでこの日は到着するなり「今日はフリットで」と気さくなお姉さんに伝える。あっとゆうまに揚げてもってきてくれて、サクサクといい香りのあるつまみを早速得ながらここのオススメ白ワイン。

好きなやつーー!!

白ワインのまさに私が好きな甘く芳醇な香りが広がる少しもツンツンしていない、白でもしっかり味わいのあるワイン!でもこちらも上品。南イタリアのワインのあのワイルドな癖の強さとは違う。クロアチアのリキたんのワイナリーで私が1番お気に入りで毎年リクエストしてるあの白ワインにとても近い。
でもこれは微炭酸も感じたから、これ樽じゃなくてステンレスだよね?と聞いたらやはりそうだった。なんていうかバランスが良いし食後になにも食べないで飲んでてもずっと美味しいやつだ。


同じような美味しさでも、保管で台無しにしてる店も多いんだろうなーと今回のワイン漬け週間ですごく思った。
勿論このお店はワイナリーだしおじちゃんの仕事が丁寧なのは見なくてもわかるから大丈夫。
白といえど冷やし過ぎてツンツンかたくさせることなくちゃんと最初から味わい深い良い〜温度で提供された。
そこから飲み終わるまでにこちらもまた少しずつ変化して楽しいけど、ここのは状態が良いからむしろ最初の一口の華やかさが個人的には1番かもしれない。

帰宅してからも毎晩、スーパーでも買えるアンさんオススメワインか近所のワイナリーで狙い買いしたもので晩酌して絶対に太った。

3日目くらいからはミラノとベネチアの丁度間くらいのシルミオーネに滞在。

スーパーでこれたっぷりネットで買えちゃう。よく洗ってから安いワインで蒸すだけでもう自然な塩味ついてて、ハイ美味しい。
スーパーで買えるワイン。充分美味しい。
シチリアのとかほどじゃないけど
じゃじゃ馬感あり。
ゼナートの白もスーパーの白をあけたついでに
飲み比べ。
一気に、格段に、、じゃじゃ馬がいた口に
上品なお嬢様が降りてきた。
とても綺麗。感動
アマローネをこんなに美味しく作った奇跡のワインらしい。他のアマローネの味を私は覚えてないから比べようがないけどこちらも甘くて軽いところからはじまる気持ちの良い赤。
飲み終わった後のグラスの残り香まで美味しかった、、
スーパーのフンギとオリーブオイルとガーリックもいれてまたムール貝。最高。家でこれがめっちゃ安くできるのよ



スーパーの白ワイン、近くのトラットリアでも出してるやつでここの家にいるときはよく買うというアンさん。
ここの冷蔵庫が丁度あんまり冷えない冷蔵庫で、かえって良い温度に保てたから家で飲んだ時はこのワインも充分美味しかった。

が、最終日にその近くのトラットリアで食事したときに本当だここにもあるー!とそれを頼んだら、
ソムリエが不在でカナリ冷えたその白ワインが出てきた。キンキン。

すると最初の一口がまるで違う。そのへんのレストランのハウスワインをグラスで頼んだとき程度の味になってる。少しすっぱくて、香りも広がらずツンケンして…本当におなじ子…???

でもここのムール貝がたっぷり入ったトマトのスープはとても美味しかった。
アンさんのおかげで管理の違いや時間の違いをちゃんと比べながら楽しむことができたこの1週間はまさにワインの為の日々だった。そして癒し。


そして色んなワイナリーやレストランにこれまでも行ってたつもりだけどなんの勉強もせずただ美味しく楽しんでいたからワイン界のルールとかもなにも知らなかったんだけど、
あの、ちゃんとしたワインバーやレストランだとボトルを注文した時に必ずされるテイスティング。

あれって、注文したものをあけたあとに確認してももうあけちゃってるじゃん、もし気に入らなかったところで… ??? と、いつも不思議には思ってたんだけどなんとなく感想が聞きたいだけなのかしらくらいにその疑問をスルーしてきた。

でも当然そこでチェンジする権利があるからあれをやるらしい。

ここまで読んでくれているような多分ワイン通の方たちからしたら当たり前すぎることなんだろうけど私にとって「ええ!はぁぁ!」だった。笑

それが例え100万するワインだろうと、その品質が著しく落ちていたりコルクがカビていてカビ臭が移っていたりしたら
あのテイスティングのタイミングで指摘すれば交換するなりやめるなりできるらしく、
これは世界共通のルールなんだそう。

アンさんは微かなカビ臭もわかってしまう人らしく過去にもそれを指摘したことがあって、一度それを店のソムリエに否定されたことがあるんだそう。

これカビてるよね、と確認したら、
ソムリエもそのワインを口にふくんで舌で転がして、
「あ、これは元々こうゆう味でして、問題ございません」と。

でもカビの臭いを間違いなく感じているアンさんは少し温度と広がりを待って再度そのソムリエに飲んでもらうことに。「はい、今ならわかるでしょ?」と。
ソムリエは再びその少しひらいてきたワインを味わうとさっと青ざめて、
「申し訳ございません!すぐ新しいのを持ってきます」と慌てて交換してくれたんだそうな。

こりゃあソムリエの仕事ってかなり重大だし、ワインを置く店はギャンブルだなというか、よほど信頼できるものを選んで仕入れて、そのうえで管理も徹底して、それでも尚リスクがある、
ワインってそうゆうものだったんだなぁって。

尚更美味しいものが飲めたときのありがたみが増す気がしました。

安いワインなんてキンキンにしてごまかして飲むしかなくてどれだけ待って空気に触れさせても救いようがないというか😂良くならないものも沢山あるだろうけど、

ある程度のものを頼んだ時は、このシルミオーネ最終日のトラットリアのように温度の問題の場合があるからとりあえず適切な温度まで待ってから飲んでみようとか、

今後のための学びがまた蓄積されたのでした\(^o^)/


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旅人Chihiro Shibata
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