砂漠のおうちからフェズに出戻り
今日も祈りの声が聞こえる。
歌のような、一日何度も聞こえる祈り。
それに混じって天井近くの窓からバタバタと虫の羽音が聞こえる。
蛾か？カナブンか？
暗闇のベットに寝たまま耳を澄ます。バチバチ音を立てながらどうやらそれが窓から入ってきた。
まじかよ、と目を開けて音の方を見上げると窓から入ってくる月明かりでチラリとそれが見えた。
ん？なんだろうあれは。壁を這っている。あれって…
そのあとまた暗くてよく見えなくなり、またバタバタっと音がしたとおもうとボトっとそれが私の顔面口元に落ちてきた。
絶叫しながら慌てて起き上がってヨセフを呼びにいった。幸い一階の受付に隣接した部屋なのでヨセフはすぐに来てくれて騒ぐ私に驚きながら布団をバタバタしてくれた。
テッパンの嫌われ者、ゴキブリだ。 やっぱり。
持ち上げられた布団からチャカチャカ不細工な歩き方で逃げ出てきた。そのまま履いていたサンダルでゆるく叩いて半殺しにして部屋から追い出すヨセフ。べちゃっと潰さないあたりが慣れたもんだ。
ヨセフ家族のおもてなしに感謝しつつ砂漠エルフードを離れて、私はフェズのホテルに帰ってきていた。（あの、「生地をうんこでこねこね」していた街）
と小説風に書き出してみちゃったりして☝️☝️🤪
砂漠ツアーで前に書いている通り安くなったといえどそれでも基本的にお金を使わず旅する私にとっては大きいお金を使ってしまったわけで
ここから先もう使えない状態だったから、とりあえず家族のおもてなしまで派遣してくれたヨセフのホテルに戻って次の移動に備えることにしたの。
そのあとはもし時間があればタンジェに戻ってもタンジェで初日に泊まったホテルが「戻ってきたらテラスなら無料で泊まってていい」と言ってくれてたからしばらく過ごせるんだけど、スペインに戻らないといけない日が迫ってるからフェズで1、2泊したらもうそのままスペイン入ることになるかな てかんじ。
ヨセフのホテルも、もう前回彼の友達みんなと仲良くなって「自分の家のように使っていい」って言ってもらえるようになってたもんだから、
前回使ったのと同じ一階のシャワーとトイレ付きの部屋を無料で貸してもらえてたんだけど。
フェズだから一階はさすがにほんのり臭いんだよね。
綺麗にしてるし、仕方ないんだけど。
そのうえゴキブリが口に落ちてきたのは気持ち悪すぎたけどなかなか広くて便利な部屋をタダで借りれてるんだから文句言えないよね。
しかし「もう2度と入ってこないよ！」とかまた根拠のないことを言ってたけど絶対そのうち入ってくるから窓に網戸をつけた方がいいと思う！
モロッコの他のホテルもなかなか網戸はなくて、暑いから窓は開けっぱなしだからタンジェのときは蚊にかまれすぎたし可愛いホステルでもそのへんちょっと残念、、、無料ステイのかわりに網戸を全部屋に取り付けるボランティアしてあげようかしら。
一応ホテルだから勿論他のお客さんも予約してくるわけで、その日もスペインからとどこかからのお客さんが泊まりにきてた。でもシャワーとトイレが専用でついてるヨセフいわく1番良い部屋（ちょと臭い）は私が使っちゃってるから一部屋埋めちゃってる😂いいんかそれ？
「砂漠出身はフェズとか街の観光客をお金としか見てない連中と違って、皆持っているものはなんでも与えてシェアしようと思うから全然違うんだ。街の人たちも砂漠の生き方を見習うべきだ」
って言ってた。
ほんとにこの町のホテルオーナーたちがその砂漠模範してたらホテル潰れると思うけど大丈夫そ？☺️
起きたら昼からまた皆テラスに集まってるから私もテラスでチルってるとお昼ご飯なに食べたいー？とヨセフちゃん。
「フェズに美味しいミートボールタジンのレストランあるらしいから行ってこようと思って。でもどこにあるのか知らん。どっか安くて美味しいとこ知ってる？」
と聞いたら「買ってきてここで作ればいい！」って。
「あー！ミートボールタジン作れるの？ミートボールに卵乗っててトマトソースが美味しそうなやつだよ？」「why not!😋」
モロッコの男の子たちは皆料理上手。
ていってもタジン鍋は野菜や肉を豪快にいれてスパイスかけて蒸し煮してるあいだほっとくだけだから彼らが言うようにたしかに「簡単」なんだけど。皆すすんで料理する。
玉ねぎとニンニクはここでもやっぱりテッパンで微塵切りにして最初にオイルと敷き詰める。そこにトマト。じっくり煮る。美味しくないわけがない。
ヨセフは君と僕とで作ろう！と言う割にいつも結局もう1人の若い男の子に全部まかせてるけど。笑
その日も近所でほんとに三分くらいでさくっと材料を買ってきて、それからその専用シェフくんがお料理してた。
そして私が言ってた通りトマトソースで卵乗ってパクチーかけたタジンが完成！
皆で今日もパンをちぎってパンでタジンをすくってランチ。
私もすっかりモロッコスタイルで食べてるのにやっぱり一応私用に皿やフォークを持ってきてくれるヨセフ王子😂
とっても美味しい。上手！
ちなみにこの日の夜もシェフくん特製チキンタジン
毎日とにもかくにもタジンなモロッコ。
あー料理したいー日本の調味料そろえて作ってあげたいー。
テラスでひたすらチルチル飲んだり食べたり吸ったりしながら過ごす彼らと過ごしたり外にお散歩出たり他のホテルのモロッコ人たちと交流したりカルフールにビール買いに行ったりしながら過ごした。
タクシーを乗ってカルフールのリキュールショップまで行かないとお酒はメディナ（旧市街地）内には売ってなくて。
ちなみに外でも基本的に飲んじゃいけないしそもそも宗教上飲まない人が多い。
そんな中、この王子たち一派は毎日ビールをすこぶる沢山飲む。私を含めだれかが毎日50本近くビールを買ってくるけどこの5人くらいでキレイになくなる。
お酒を飲むことがマイナーでちょっと「ワル」なぶん、尚更執着して酒だ酒だと言っているかんじだけど可愛いのが
ビールとたまにワインくらいしか飲まない。
日本人のパリピがテキーラショット50杯！シャンパン50本あけたぜうぃー！みたいな酒自慢してるノリでビールを10本以上も飲んだと話しているのがなんとも、カワイイ。
たまたま持ち歩いていたハンガリーのグラッパみたいな60°くらいのお酒を味見させたらめっちゃ渋い顔して「くうーーーー！おーまいがーー！」ってなってた。
でFacebookとかでもビールにまつわる投稿や、「飲む」とゆうことの普及活動かのような投稿をしているくせに、砂漠で会った家族には飲んでることを話したり飲んでる写真を送ったり絶対にしないで、と。
「お母さんは多分知ってるとおもうけど目の前では飲まないしそのことは話さない。お父さんは僕が一度も飲んだことはないと思っている」
だそうな。
仲間共々ビール腹をこしらえて、このお腹でバレないもんなのか…？？
その皆で次の日ラバトに旅行いこう！ということになった。
フェズからタンジェに移動してスペイン入ろうかとバスのチケットを買う寸前だったけど、聞くとラバトからもダイレクトでタンジェ行きの電車がある。
それに朝に乗れるならラバトに一泊皆で遊びに行っても次の日タンジェに朝イチで行ってそのままフェリー乗っちゃえば予定通りにスペイン行ける！
なんでいきなりラバトになったかというと、タンクトップシャークアタックの彼（ヨセフの友達）が数日前にフェズの道端でラクダ肉を食べている日本人の女の子に出会ったんだそうな。
その子はフランスに住んでるけどモロッコにもホームステイのようなかんじでやってきてフェズに観光に来てたときに会ったけど家がラバトらしいからまたラバトで会おうと話したと。
しかもラバトなら彼のおじさんのアパートがあるから皆で行って向こうで料理したりしてその子も合流して一緒にあそぼう！って。
彼はその子をめっちゃ気に入ったらしくて、でもアラビア語はもちろん英語もあんまり話せない子だから日本語でメッセージ送ったり協力してほしい！みたいな。
いいねいいね応援するしその子もナンパしてきたモロッコ人を警戒してるかもしれないから私がいたほうが安心だろうな
ってことで電話かわって私もその子と話した。
私の荷物を持ってくれる王子
Mr.シャークアタックはほんと面倒見がよくてイイ兄さんぶりを度々発揮する。電車の中でも他人の子供たちを次々と抱き上げて遊び、しまいに後ろの席の1人の少年を膝に乗せて涼しいようにずっとあおいであげて、そのままその子は眠った。 人の子を寝かしつけるとはなかなかのベビーシッターっぷり。 いい父ちゃんになると思うよ、とラバトの女の子に伝えておくか。
そして電車に飽きるほど揺られると到着した大きくてきれいなラバト駅。
そこで会えた日本人の女の子は私が巨人族だったかと思うほど小さくて、小さい顔で私を見上げて「はじめまして〜🌸」と。
皆でさっそくカルフールに（どの街でもお酒が買えるスーパーはカルフールなのかな？）買い出しに行って、
おうちに入ってそれぞれ飲みながら料理をはじめた。
私たちはカルフールで醤油を見つけたので、生姜焼きの味付けでチキンを煮た。
それにしてもキレイな近代的なアパートでモロッコなのを忘れるくらいのクオリティだった。部屋は広いし多いし、トイレやシャワーも二箇所もあってバスタブまで。キッチンも広くて沢山の調理道具も揃ってた。
ここが叔父さんの別荘で自由に使えるなんて、シャークアタックはボンボンだな。
生姜焼きはチキンでも問題なく美味しくそれなりに日本の味に仕上がったけど1番喜んで食べてたのは日本人の私達😂
シェフくんも「これ好き！」とよく食べてたけど。
モロッコチームはその日もタジンを作っていて数時間遅れて出来上がった。
皆で楽しい時間をすごして、次の日の朝7時頃皆がまだ寝静まってるとき私はこっそり身支度をして出発。
シェフ君が気づいて見送りと鍵をしめにきてくれたけど、ヨセフのことは起こさなかったらあとでひどく寂しがられた。「なんで起こしてくれなかったの！最後の瞬間まで駅に僕が荷物を運んで一緒にいたかった！」って。かわいい😂✨
また近いうちにモロッコ戻って皆に再会することも楽しみに、わたしゃー戻るよスペインに。
ありがとうモロッコ！みんな！
無事にタンジェに着いた私はエッサホイサと重たいバックを持ちながら港にフェリーのチケットを買いに行って、
フェリーまでの間はタンジェの例のホテルのテラスに行って仮眠をとらせてもらった。
荷物置いとかせてくれたからラストビーチや町散策も。
タンジェもやっぱりかっこいいしビーチもキレイでええね。
うざい人が多いと言えどやっぱりピュアで友達になんでも与えてあげたり、友達になると無料で泊まれる部屋やテラスを提供してくれたり、可愛く優しい人も多いな。
良くも悪くも日本みたいなルールはなくて緩くていいわ。皆なんだかお母さん大好きだし、家族愛強くて笑顔の可愛い人にたくさん会えたわ。
ハマムは気持ちいいし安い！
ごはんがうまい！！
いきなりまとめに入った感じで今回はスペイン、タリファ行きのフェリーです。
来る時はアルヘシラスからタンジェ新港だったからね。
電車でついたのがタンジェ旧港に近いメディナだったから、そこからのフェリーだとタリファに着くの。こっちのが値段高いってなんかで読んだけど、行きにケチったらめちゃくちゃメディナから遠くてバス長すぎてしんどかったのを覚えてるからもう帰りはこっちでいいや！ってなってた。
タリファまで400DH。五千円ちょいだね。
もう朝からの電車で疲れてたから入国審査は皆終わってから最後に並ぼう〜って思って船に入り次第眠ったら爆睡しててお姉さんに起こされたらもうスペインについていて（笑）
でも「あれ！もうついたの！私ポリススタンプしてないや！入国審査！」て言ったら
「大丈夫、降りてからこのあとに通るから」
モロッコ→スペイン の場合は船内で入国審査しないっぽい！
降りてから通るカウンターでパスポート見せてスタンプ押されるだけですぐ終わった。
ヨーロッパにもどってきたーーーーー！
海を越えただけなのにもう路上で人々が酒飲んでるし物価がバリバリ上がってる。面白いなぁ
タリファはアルヘシラスの怪しげでちょっと危ない雰囲気とは違ってめちゃくちゃリゾート地だった。
だからホテルも高い！ 3軒くらい安そうなペンションをまわって空き部屋ないか聞いてみたけど1人用の部屋はどこも埋まってて。
こりゃ泊まれないなと思って少し移動することに。
検索したらバスで40分くらいで行ける街に22€のホテルがあってこのへんだとそれでも1番安かったから聞いたこともなかった「ラ・リネア・デ・ラ・コンセプション」という街へ。
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