音楽と私:1
私の一番古い記憶にある曲は、幼稚園のお遊戯会のために覚えたアニメの主題歌だ。当時流行っていたものだと思うが、その後ほとんど耳にしていないはず。でも、あの不思議なオノマトペから始まるサビは今でも歌える。次に記憶にあるのは、初めて買ってもらったCDだ。小学校に上がったばかりの頃だと思う。よく見ていたテレビをきっかけに好きになったユニットのアルバムか、いつも口ずさんでいた人気曲のシングルか。どちらが先だったか定かではないが、どちらも同時期に好きであった音楽だ。特に前者は、そのアルバムを手に入れてから、幼いながらに聴き込んだ。テレビで映像を見て、初めて「ライブに行ってみたい」と思ったのもそのユニットだった。
小学校中~高学年は、好きなアイドルの曲をひたすらに聞いていた。当時人気絶頂の女性アイドルグループ、カリスマ歌姫、国民的アイドルと呼ばれた男性グループ…後述するが、彼らの音楽も私に影響を与えていたのだと大人になってから気が付いたりもした。
中学生になると、友達とCDを貸し借りしたり、ラジオを録音してMDに入れて聴いたりしていた。特に、友達の影響を受けて日本のバンドを聴き漁っていた。ロキノン系と言われるようなジャンルだ。初めてライブに行ったのも中学生の時だった。帰りの電車の切符を買い間違えて(?)子供運賃で改札を通ろうとしたところ、駅員に止められて気まずくなったことを覚えている。それから、この頃近所にできた児童館に音楽スタジオが併設され、そこに出入りするようになった。楽器は弾けないし、当時の私は「私は歌が好き!」という根拠のない強い意思があったので、ボーカルを担当した。なんとかメンバーを集め、その児童館のホールで初めてステージに立った。たった1曲、私が真ん中に立って歌を歌った。決して上手ではない歌と演奏だったが、有名なアニソンを選曲したことで、目の前の観客が盛り上がってくれた。この上ない快感だった。