「金」さん、「銀」さん
私の夫の岳さんは、とても優しい。
けれど、すごく、「どんかん」な人だ。
自分の背中に「ひっかき傷」ができても、
周りの事で頭がいっぱいだ。
そんなところが、「かわいい」
かわいいものを、「かわいい」としか言わないところが好きだ。
無意識に「かわいい」ものを突然、買ってくる。
ほんとうに、「かわいい」人だ。
岳さんは、裏切らない。
私と、岳さんは二人で山に登った。
私が楽しみで眠れなくて、山の途中で吐いた。
吐いた時も、何も言わず、ただ、背中をさすってくれる。
いつも、そう。
そう、いつも。
だから、「好き」だし、だから、「旦那」になった。
それでも、私は、岳さんの事を、「岳さん」と呼ぶ。
歳が7つ上の岳さんは、面白い話をたくさん
プレゼントしてくれる。
歳なんか、関係ない。
私は、岳さんの隣にいたい。
何歳になっても、
金さん、銀さん の ように
私は、「銀さん」
岳さんは、「金さん」で 居てほしいのだ。