ラーメンアワードに思うこと・2019
2019年もいよいよ押し迫り、「令和初」と銘打たれたランキング、アワードが続々と登場していますね。
昨シーズンも「ラーメンランキングをどう考えるか」というエントリーを書きましたが、今年は「業界最高権威」と銘打たれたTRYラーメン大賞を見て思った点を綴ってみたいと思います。
まず、去年の新人大賞店『Tombo』が、名店部門ではまったくランキングしていない、ということ。大賞だけではなくしょう油、しお部門で1位、つけ麺部門で2位という圧倒的な評価だっただけに、どうしても違和感はありますね。
名店部門の顔ぶれがほぼ変わらないというのも、毎年見ている読者としては物足りなさも覚えるでしょう。実力が安定して変わらない、というのであれば、もう少し枠を広げて11位~20位ぐらいまで載せてもいいのではないでしょうか。
現在も15位までは店名だけ載っていますが、ラーメンの特徴、推しポイントまではカバーしていないので、ユーザー視点で考えたら、もう少し情報がほしいところかもしれません。審査員が固定している上、年々少なくなっている現状では、毎年同じ店ばかりが選ばれるのはしょうがないのでしょうか……。
さらに、Twitterでラーメンファンの声を見ていると、『さんじ』『海老丸らーめん』『覆麺 智』『八咫烏』『神保町黒須』といったお店がわんさか出てきます。僕が見る限り、東京を食べ歩いているラーメンファンが熱く支持しているお店の一角が、これらの有力店たちだと感じます。しかし、このお店たちは最新のTRYではまったく目にすることがありません。その他にも、『ラーメン 巌哲』の鮪塩がなぜ入らないのか? 不思議に思うのは僕だけではないでしょう。
ここまで書いてきたのは、別に喧嘩を売りたいわけではありません。審査員という「人」が選ぶわけですから、好みや偏りはどうしても出てしまうでしょう。限られた表彰枠がある以上、大多数のラーメン好きが推す店が漏れることもあるでしょう。
ただ、「ちょっと違和感がありませんか?」と一石を投じてもいいでしょう。TRYが提示した一つの基準を「絶対」のもの、権威として盲信するのではなく、僕みたいに「どうなの?」と異を唱えてもいいんじゃないですか? ということです。
まあ、お店サイドは評価される立場だから、僕みたいに言えないという人もいるでしょうね。ウザがられたら、来年は選んでもらえなくなるかもしれませんから(笑)。
だけど、店を選ぶのはお客様なんです。TRYでもミシュランでも、載ればそれはうれしいでしょう。だけど、そこに一喜一憂する店主はいないですよ。だって、みんな自分のラーメンが一番だと思って信じて作って、精一杯ラーメンと向き合ってますからね!
ラーメン屋も、もっと声を上げてもいいと思うんだよね……。店主のみんなも、思ったことや違和感は、ガンガン言いましょう!
そして、今年のTRYで石神さんがメッセージしていたように、今は食べログなどレビューサイトのアルゴリズムがすごく進化していて、たくさんの判断基準があります。TRYの評論家が自分の好み、傾向に合うようだったら参考にしてもいいでしょうし、何を指針にするかは人それぞれ。最後は自分の判断です。
つまり……ラーメン好きだったら、自分が気になったところに実際に足を運んで、食べてみるのが答えになるでしょう。それが、ラーメン屋にとっては一番の評価になりますから!