ソラノイロが他業界とコラボし続ける理由
2019年9月19日~21日の3日間、麹町本店にて「チョコミントの冷やし麺」を提供しました!
今までの限定の中でも、もっとも難しいデザートラーメンでしたが……初日、2日目はオープン前に行列ができ、開店20分前で完売という大好評。最終日には53杯を完売と、高評価をいただくことができました。
「冷やかし御免」と銘打たせていただいたように、このラーメンは決して簡単には作っていません。命懸けで取り組んだことが、こうしてお客様の熱意として現れたことに感謝しています。
決して話題作りやキワモノではなく、ソラノイロにしか表現できないラーメンを考え、チャレンジングに表現し続ける。それが僕たちの使命だと思っています。今回は、「ソラノイロが他ジャンルとラーメンを創り続ける理由」を書いてみたいと思います。
まず、最近話題を呼んだコラボからさかのぼっていくかたちで、「???×ソラノイロ」のラーメンを紹介してみましょう。
まずは、こちらもSNS、ネットニュースでバズった「隠し味が隠せない冷やし中華」。
ソラノイロ食堂池袋店で2019年8月~9月にかけて提供をさせていただきました。冷やし中華のサーブ時には耳栓を配り、食べるときには周囲の音をシャットアウト。自分が発する音だけを耳で感じながら味わっていただくという趣向です。「隠し味が隠せない」というのは、その名の通り、具材としてアイスの「明治エッセルスーパーカップ」が豪快にトッピングしている、ということ。
チョコミントは「チョコミント王子」うしくろくんに試食してもらいましたが、こちらの「隠し味が隠せない冷やし中華」はアイスジャーナリストのシズリーナさんとのコラボレーション。いろんなグルメのインフルエンサーと組むことで、僕もいろんな気づき、ヒントが得られています。
チョコミント、アイスも意外性の組み合わせですが、ユニーク素材といえば、7月には麺、スープに約4杯分の「キューサイの青汁」を使った「キューサイのマズくない青汁冷麺」もありました。
この、目にも涼しい青汁冷麺はキューサイとのコラボ。「マズイ!」ではなく「マズくない」という逆転のアプローチですが、実はソラノイロ限定の原点にも、ちょっと共通するものがあります。創業の2011年に発表した「グリーンベジ冷麺」が、ソラノイロの限定ラーメンとしては初のチャレンジでしたからね。
ベジタブルな野菜系の限定といえば、有機野菜などの安全食材宅配オイシックスと組んで、スーパーフードとして注目のケールをふんだんに使用した「ソラヘかがやケール」、日本野菜ソムリネ協会とコラボした「ソラのヤサ麺~坦々仕立て~」がありました。
「ソラヘかがやケール」は、衣までジャガイモで作った鶏胸肉と山芋のコロッケをトッピングしましたし、「ソラのヤサ麺~坦々仕立て~」は、野菜を麺に見立ててピーラーで切って提供するという創作系です。
野菜を麺に見立てたものでは、不二製油のプレミアム豆乳をフィーチャーした「ソラのハロウィン黄彩麺」も面白かった。麺に山椒を練り込んで、秋の旬野菜カボチャとプレミアム豆乳をマッチング。不二製油さんとは、色とりどりの野菜と辛みそをプレミアム豆乳に合わせた「ソラノベジ プレミアム豆乳ラーメン」にもチャレンジしています。
なぜやってない? ソラノイロとラーメン店とのコラボ
さて、ここまで「?×ソラノイロ」のコラボラーメンを振り返ってみました。いろんなメーカーと組んでいますが、「話題作りやキワモノねらい」で作っているわけじゃ、ありません。
「ベジ」「ヘルシー」「女性向け」というキーワードで、ソラノイロらしい創意を発揮できる――そんなラーメンに僕は必死で取り組んできました。
2011年以来、200種類以上の限定ラーメンを創り続けてきた開発力、大手メーカーやミスタードーナツなどの外食産業とタイアップし、メニューを提案してきたコンサルティング力。それらを磨いてきたからこそ、ここまで多彩なラーメンを創ってこられたと思っています。
「チョコミントの冷やし麺」を提供し、ワクワクしながら並んでいただいた皆さんを見て感じたのは、やっぱりお客さまには「これでラーメンを作ったらどうなるんだろう?」という好奇心がある、ということ。その好奇心に応えるだけの味を作ったという自負はありますし、だからこそSNSやメディアで評価をいただくこともできました。
以前はよくやっていた「ラーメン屋どうしのコラボ」も、最近はあまり機会がありません。それはあえて鎖国しているわけではなく、違うジャンルのメーカーや店舗と取り組むことが刺激的で、面白いから、ということでもあります。
最近、外食産業で「創意」「クリエイティビティ」が最も発揮されて盛り上がっているジャンルは、残念ながらラーメンではありません。
それは今、スパイスカレー、肉バル、ジェラートといった分野にあります。
店主や職人の顔が見える。
こだわって創り込んでいるという思想が感じられる。
そして、それがカレーなどのメニューの大きな流れの中で、歴史の一部として存在している――そんな、エキサイティングな現場が各所にあります。
今後も、ありきたりじゃない素材や、考えもつかなかったメーカー、店舗と組んで、僕はラーメンを創っていきたいと思います。
作れないラーメンはない、というと言い過ぎかもしれませんが、どのようなオーダー、素材とのマッチングにも応えていきたいと思っています。
まったく異なるジャンルとクロスボーダーで取り組み、ラーメンを創っていく。その化学反応で何が生まれるか、僕自身も楽しみですからね。いろんなチャレンジ、コラボのオファーは、いつでもウェルカムです!