知らない街を歩くのが好き
こんにちは、NEW CINEMA WEEKEND 81のベースボーカル智啓です。
あなたは旅が好きですか?
僕は旅の経験値がないくせに「知らない街を歩くことが好き」です。
知らない街を歩くと、次の曲がり角に何があるんだろうとワクワクする。
あてもなく歩きまわり、行き着いた先で年季の入った銭湯で汗を流したり。
入った小さなラーメン屋の店主と客の方言がはじめて聞くのに妙に懐かしかったり。
僕は、知らない人に会い、知らない人と話すのが好き。
知らないことを知りたい。
なぜそんなに知らない街を歩くのが好きなのか、それは幼少期の記憶に遡る(のかもしれない)。
僕には子どもの頃に旅に出た記憶がほとんどない。
旅行が嫌いな父、そんな父に文句を言わない母に育てられたおかげで、小学時代の同級生が旅行や帰省に出るお盆や正月に県外に出かけた記憶がない。
お盆は家でゴロゴロ、連れて行ってもらえて近所の川である。
そして、父は言う
「お盆とかクソ渋滞する時期にでかけるなんてアホや。」
ある時僕は、父に言った。
「キャンプをしたい。河原にテントを張ってバーベキューをしたい。Aくん家はよく行ってるよ?!」
その時はタイミングが良かったのか、珍しく父はめんどくさそうに頷いたのだった。
ある夏休みのタイミングで父は会社からテントを借りてきたといい、みるとテントやBBQの一式が父の車に積まれていた。
僕は嬉しく、キャンプにいける日が待ちどおしかった。
早く、早くきてくれ、キャンプよ!
待っていろ、キャンプファイヤーよ!
おそらくあの時の僕の首はキリンより長かっただろう。
しかし、現実は、、父は決して甘くなかった。
父はおそらく、急に突然、川に行きテントを張ることがめんどくさくなったのだろう。
ある朝、実家の庭にテントが張られており、父は言った。
「今日はテントで寝たら?」
呆然・・・・おそらくその時の僕の感情にぴったり当てはまる2時熟語はコレだろう。
そして泣いた。
その時、兄はどう思っていたのかはわからないけれど、僕は泣いたし、この先、親父に何かを期待することはもうないだろうと思った。
その後、家族で愛媛と、九州旅行に行ったきりで、その他の場所はどこにも行っていない。(その時の旅の話も酷かったからいつか書きたい)
話がずいぶん長くなってしまったけれど、いい歳をした僕が「知らない街を歩くのが好きな理由」。
それは、幼少期に叶えられなかった旅への憧れが、僕の心の中の奥底に種火としてメラメラとまだ燃えているからなのかもしれない。