
チーム対決 ㊲「涙のあとでつかまえて」
秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ順不同にいきます。
37作目「涙のあとでつかまえて」1996年
由香と左記子のツーショットが可愛い表紙。
高校卒業直前の由香と左記子。学校にはほとんど行かなくていいような時期らしい。由香はひとり桜崎探偵事務所を訪れて、圭二郎さんに朝食を作ってあげることになった。圭一郎さんは不在で、由香と圭二郎さんの二人きりの朝。これはこれで面白い場面なのですが。
その様子を、コーヒーショップに集まってのぞき見してる左記子始めレギュラーメンバーたちの方がよっぽどおかしい。
ドゴールコーヒー(笑)のサンドイッチを選びながら賑やかに。
このシーンとてもいいです。このシリーズの良さがつまっているような。
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本題は、神也警部が連れてきた依頼人の「事件当日のアリバイ探し」
妹を殺害したとして容疑者とされたその人には、殴られたことによる記憶障害が発生していて、事件当日の記憶がない。
その潔白を晴らすことができず苦しい思いをしている。
自分と圭二郎さんの様子をのぞき見をしていた左記子に腹を立てた由香は左記子とけんかになり、今回の事件解決はまさかの「対決」で。
由香ちゃんチームは、由香と圭二郎。
サキちゃんチームは左記子と圭一郎、小林クンその他クラスメイト。
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依頼人の、少しだけある記憶をもとに捜査を開始。
公園で外国人家族の写真を撮ってあげたという手がかりがあり、それをもとに推理を進めるそれぞれのチーム。
「有名なSF小説」にぴったりな少年の名前とそのペットの名前。
私はそれを知らなかったのでピンとこなかったけど、それを知っている読者なら解答がわかったとき、もっと興奮したのかな。
アリバイ証明をする作品の中でこれが一番好きです。