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得意の愛憎 79「星あかりの庭でつかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビューするのが目標。無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。

79作目「星あかりの庭でつかまえて」2003年

発売されたのは2003年かあ。けっこう大人になってたな。大学は卒業していた。それでもコツコツ、新刊のたびに買ってたんだな。手元にある文庫本を前になんだかしみじみ。

クリスマスパーティ用にプレゼント交換のための贈り物を探しにやってきた由香と左記子と明くん。桜崎探偵事務所、クリスマス、プレゼント交換は長いシリーズのうち何度も出て来た。

その間に知らない人から何かを託され事件に発展。あれ、前にもこういう展開なかったっけ。ちょっと首を傾げつつハッキリとは思い出せない。何しろゆきずりの人に何かを頼まれることが多いもんで、この人たち。

クリスマスプレゼントを選びに行った店で、由香たちは知らない女性に封筒を渡され、とある教会の牧師に渡してほしいと頼まれる。言われた通りにしてあげた後、帰り道で神也警部にバッタリ出会いお決まりの問答のあと知らされるのは、さっきの女性と、封筒を持ってたずねた教会の牧師の、死。二人とも、他殺。そこから、依頼人がいるわけではないけれど関係してしまったからには放っておくこともできず、警部に協力して解決に乗り出すことになる。

この殺人に対する動機は、わからないこともないな、と思った。分け隔てなく、とはきれいごとではないかと、分け隔てなくされることが自身の不利益になる立場の人がいる。とても身勝手だけれども、大事な人の優先順位をつけることも必要だと大人になった今はそう思った。

会う人会う人に左記子がパーティへの誘いをかけ、だんだん賑やかさを増していく桜崎探偵事務所のクリスマス間近なのでした。

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