
孤独の底で出会ったもの
左斜め前には事務机に陣取った姑、右斜め前にはボロいソファにふんぞり返る舅
絶望的な環境で、する仕事もないのにこの場所にいなきゃいけなくて、
舅姑が辞めもしないのに何でここで働く必要があるのか腹立たしくてたまらなかったけど、ただ耐えるしかないと思っていた。
心の中に不満や苦しさがたまりにたまって、ある日わたしはつぶやきサイトのアカウントを作成してみた。
ぽつぽつ、と自分の現状を投稿する。
自席でPCに向かって、舅姑は目の前にいて。
その人たちの悪口をずっと打ってた
義実家自営の嫁
同居ではないが過干渉の舅姑とともに働いている
隣県から来たので近くに実親も友達もいない
姑が仕事を譲らないからすることがない
はじめは、いいねなどの反応も全然なくて、使い方もよくわからないし戸惑っていたけど、続けていくうちに、まず一人だけ、毎回いいねを押してくれる人ができた。
その人はリツイートもしてくれて、そのおかげで少しずつ相互フォローできる人が増え、気づけば数人、共感しあえる人たちができた。
わたしと会話してくれるのは、
「自営の嫁」
「姑タイプ:鬱陶しい過干渉」
「隣県から嫁いできた」
このあたりの共通点の多い人たちだった。
年代はさまざま。
姑からの過干渉で鬱になり、長く患ってる人もいた。
完全同居で、息苦しい毎日を送っている人もいた。
自営の嫁でも、わたしのように役割を与えられないのではなく何でも押し付けられて困っている人もいた。
彼女たちとのやり取りに救われてなんとか切り抜けることができた一時期がある。
今でも、感謝している。
自分のアカウントは消してしまったから、非公開の人たちにはもう会えない。
それでも、お名前はたくさん憶えているから、いつかまたどこかで会えたらいいなと思う人が何人もいる。
孤独の底で、共感しあえる同じ境遇の人たちと話ができたことは本当によかった。
どこもここも、クソみたいな姑だらけだった。
忘れません。
わたしは、「ようこ」という名のアカウントでした。