青春の美男汁粉 ㉘「文化祭でつかまえて」
秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。
28作目「文化祭でつかまえて」1994年
もともと、高校生の由香たちを主役にした青春群像劇だったものが、桜崎さんや神也警部など、外部の大人が関わることで探偵ごっこを繰り広げる冒険劇に展開していったところのあるこのシリーズ。
事件の舞台は学校を飛び出すことが多くなり、由香たちの学校での様子はただ行って帰る、みたいな扱いになることもあった。
修学旅行さえ事件に巻き込まれて左記子は参加しなかった。
そんな中、この「文化祭」は、数少ない「校内完結」タイプ。
なんといっても「美男汁粉」左記子の考えた、クラスの出し物。
この紹介文というかキャッチコピーが最高で、笑ってしまう。
事件は、校内のお化け騒動の解決を生徒会の文化祭実行委員長から依頼されるというもの。以前にも登場した、左記子の後輩である律子ちゃんが出てきて由香たちの事件解決を手助けしてくれる。
「美男汁粉」
作務衣に身を包んだ美男が給仕をしてくれるというふれこみ。
左記子が当てにしていたのは小林くんと、圭二郎さんと菊地さん。
この先も何度も何度も、このメンバーの「顔面」が左記子考案のイベントに使用され続ける。シリーズが進んでいくと、明くんや速水さん、律泉さんなど美男は増え続ける。
一番好きなシーンは、準備のために学校で夜を過ごす由香たちのために圭一郎さんが特製のお弁当を作ってくれているところ。
本気でうらやましいと思ったものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?