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バニー ⑲「公園通りでつかまえて」

秋野ひとみ「つかまえてシリーズ」全95タイトルを全巻レビュー。
無作為に選び一冊ずつ、順不同にいきます。

19作目「公園通りでつかまえて」1992年

クラスメイトの敦子ちゃんが、知り合いの困りごとを由香と左記子に相談することから展開していく。
田川ハルコちゃん。このシリーズには由香や左記子の二人のほかに数人の同年代女子たちが登場し、それぞれみんな、かわいい。
その作品きりのキャラクターもいるけど、その後もイベント(おもに左記子が自分の企画で女の子を集めたいとき)のときに来てくれて由香たちと再会を喜びあったりすることがある。

事件は、ハルコちゃんがアルバイト先で目撃した「人が首を絞められているところ」を二人に相談することで幕を開ける。
本当に苦しそうにしていたので殺人事件を目撃してしまったと思うのに、その後、そこで殺人事件が起こったというニュースがない。
自分の見たものは何だったのか不安なのだ、と由香と左記子に相談するハルコちゃん。
二人は桜崎さんの助けも借りながら彼女の力になろうとする。

これは、依頼人のアルバイト先に二人を潜入させたくて作った物語だね、とディープなつかファンならすぐにピンときたはず。
ハルコちゃんが働いているのは、バニーガールの格好で接客するお店。

二人にこの格好させたかっただけだよね。
若干のわざとらしさを感じつつ読み進む。
作者は二人に、偽名を使ってどこかに潜入させるのがとても好き。
そういうとき異常にはしゃいでる左記子のシーンは数えきれない。

それから、行政書士とか弁護士とかの事務所に忍び込ませるのも好きみたい。勝手に侵入したり依頼人のふりをしたり。何かで見たな。

現場に行って、由香がハルコちゃんの証言の中に違和を見つけ、そこから全部がつながってくる。

当時は好きでした。今回はなぜか、設定の中の他作品との重複が気になってしまい新鮮味がなかった。公園通りはわりと初期作品なので、秋野先生はこれ以降の作品に同じ設定を使用したんだろうから、こちらを古いものとするのは違うかもしれないが、今回の読み返しはランダムなので。


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